各国の一流ブランドが岡山のデニム生地をこぞって採用していることは有名だが、デニムに限らずJAPAN生地は間違いなく世界トップクラスのクオリティだ。その理由は、驚くほど昔ながらの伝統的製法がいまだ継承されていること、アーカイブを綿密に研究し、それを再現する探求力、今までにない生地を生み出す企画力が共存しているから。今、改めてJAPAN生地の魅力を再確認してみよう。
“未来の素材”を創り続ける開拓者


KOMATSU SEIREN【小松精練】/石川
1943年創業。衣料用のファブリックをメインに、機能性とファッション性を兼備した新素材を多数開発。合成繊維の染色・加工分野で傑出した技術を持ち、様々なブランドが採用。
シルクのような光沢と高い機能性を両立
スポーツやアウトドアがトレンドのキーワードとして注目される時流を受けて、昨今クラシックファッション分野にも浸透している合成繊維。そのリーディングカンパニーが小松精練だ。写真のコート生地は伊リモンタ社のナイロン生地を小松精練が染色加工したもので、シルクのように上品な光沢と美しい発色、豊かなドレープで高級感たっぷりに仕上げられている。さらに、強撥水加工も施され、機能性にも大変優れた一着だ。小松精練の染色加工技術は今も日々進歩中。今後も画期的生地が続々生まれることだろう。
[MEN’S EX 2017年11月号の記事を再構成]
撮影/ケビン・チャン スタイリング/武内雅英(CODE) 取材・文/池田保行(04)
※表示価格は税抜き