2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【L121.1】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
L121.1

伝統的な様式美に潜む、独創的メカニズム
全体を大きく覆う4分の3プレートと受石を取り付けたリングをビスで固定するゴールドシャトン、テンプ受けのエングレービングは、創業時代のザクセン様式の継承である。パワーリザーブ計が0を示すとスモールセコンドも0位置で停止するなど機構も独創的だ。
アウトサイズデイト
A.ランゲ&ゾーネ[グランド・ランゲ1]
![A.ランゲ&ゾーネ[グランド・ランゲ1]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/ME_2024_udedokeinoshikumi_fukuzatsu_p126_2.jpg)
黄金比に基づくオフセットダイヤル
アウトサイズデイトの窓の形状や各表示の配置は黄金比に基づき、数学的に正しい美を創出。各針や植字インデックスは、完璧な手仕上げで鏡面状に輝く。手巻き。径38.5mm。18KPGケース。アリゲーターストラップ。
再興を象徴する大型日付表示
東西冷戦により休眠を余儀なくされたドイツの名門が、ベルリンの壁崩壊に伴い復活。「ランゲ1」は、新生A.ランゲ&ゾーネのファーストモデルの1つである。1994年の発表時に特許を取得したアウトサイズデイトは、創業者とその師であるザクセン公国宮廷時計師が、ドレスデンに今も残るゼンパー歌劇場のために共同製作した5分デジタル時計をモチーフとする。
一目でランゲ1だと分かる特徴的なオフセットダイヤルは、時分針とその右側に配したアウトサイズデイト、パワーリザーブ計、スモールセコンドのすべてが重なることなく、優れた視認性が叶うランゲ流の機能美。現行モデルは2015年の登場で、デザインをほぼ変えることなく、ムーブメントだけをより高性能に一新した。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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