ロングセラーの今を読み解く
ITALIAN LUXURY イタリアの贅沢名品
誰しも憧れるイタリアを代表するラグジュアリーブランドの名品。長く愛されてきたそれらの逸品が今、様々な進化を遂げている。ブランドの哲学を体現するアイコニックな名品たちの現在を覗いてみよう。
FENDI
フェンディのピーカブー
「いないいないばぁ」をした顔のように鞄の印象がガラッと変わるフェンディの名鞄「ピーカブー」シリーズ。ユーモラスな変化を楽しめる本シリーズであるが、バックパックへと変型することでその遊び心がより追求された。

2WAYの変型で表現されたフェンディの遊び心
口を留めずにフロントを垂らすと、個性的な内装がちらりと覗く、遊び心に溢れるデザインで絶大な人気を誇る「ピーカブー」シリーズ。英語で「いないいないばぁ」を「Peek a Boo」ということがモデル名の由来となったフェンディの名作であるが、その名の通り、前面のロックを外して口が大きく開いたときのユーモラスな見た目の変化が特徴で、これまで多くのファンを獲得してきた。
ピーカブーは、そんなフェンディを代表するアイコニックなバッグだが、なんと今季はバックパックとしても使えるモデルが展開されるという。一見普通のバックパックに見えるこちらだが、なんとピーカブーのブリーフバッグに、別売りのハーネスのアクセサリーを装着することで、このようにバックパックとしても使用することができるのだ。

普段は通常のピーカブーのブリーフとして使用できるが、休日のショッピングなど荷物が多く両手をあけておきたい日や、よりカジュアルな着こなしを楽しみたいときには、アクセサリーを装着すれば簡単にバックパックへと様変わりしてくれる。かっちりとした印象になるブリーフバッグに対して、ニットやスニーカーなどリラックスした着こなしにもバッグパックは取り入れやすい。
「いないいないばぁ」のように変化するバッグの顔つきが魅力のピーカブーだが、さらにブリーフからバックパックへと変わる大胆なトランスフォームに、フェンディがこれまでずっと追求してきた遊び心の真髄を、感じずにはいられないだろう。
また、加えて特徴的なのがレザーの全面にあしらわれた「FF」ロゴだ。「FF」ロゴの際立つジャカードの現代的なデグラデーション仕上げは、熟練した職人による完全ハンドメイドで、特殊なエアブラシを使用している。かつてフェンディにおいては鞄の内装に用いられたクラシックな意匠なのだ。
このようなフェンディを象徴するデザインが、同じくブランドアイコンであるピーカブーで楽しめる。しかも、かつてない大胆な遊び心を取り入れて、ブリーフ型とバックパック型の2WAYで使用できるという、今まで見たことのないようなアイテムでだ。
ユーモア溢れる極上の遊び心の表現と、ブランドを象徴する2つのデザインの競演が果たされた本作。フェンディのファンでなくとも、つい心踊らされてしまうのではないだろうか。
関連記事: イタリアの贅沢名品
[MEN’S EX Autumn 2023の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み