読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは？と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい　腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。

腕時計の傑作ムーブメント【Cal.400】

機械式時計の本質や真の価値は、やはりムーブメントにある。分業制とすることで発展を遂げてきたスイス時計業界には、高い技術をもつムーブメント会社がいくつもある。しかしそこに頼らず、自社で開発・製造したムーブメントには、優れた工夫が凝らされ、独創性の高い傑作が数多く存在する。

傑作ムーブメント

Cal.400

高効率化を追求し、機械の寿命を伸ばす
歯車の歯型や輪列設計を見直し、ムーブメントの効率を最大限に高めるように設計。低いトルクで動くため劣化の原因となる摩耗が軽減され、オーバーホール期間は飛躍的に伸びた。実用性に徹して装飾を簡素化し、価格を抑えているのもオリスらしい。

オリス［ダイバーズ65］

海外旅行に便利な12時間回転ベゼル
ダイバーズ65 12H キャリバー400／1965年製モデルに範をとるレトロな外観にCal.400を搭載。回転ベゼルに12時間インデックスを置き、時差分を回せば第2の時刻がわかる。自動巻き。径40mm。SSケース＆ブレスレット。

10年間オーバーホール不要

「実用的で意味あるものを作る」を理念とするオリスは、スイスでも数少ない機械式専業の時計ブランドである。2020年に完成した自社製キャリバー400は、同社の理念をまさに体現する。2つの香箱をもつ5日巻きであり、シリコン製脱進機に加え、30以上のパーツを非鉄合金製とすることで高い耐磁性を実現。

またローターを片方向巻き上げとして部品点数を減らし、その軸受けには多用されるボールベアリングに代わりオイルで満たしたチューブにシャフトが通るスライドベアリングを用い摩耗を軽減した。さらにムーブメント全体が低いトルクで動くよう設計して負荷を減らし、結果、推奨するオーバーホール期間を10年にまで伸ばした。オリスは、ユーザーフレンドリーな実用性を追求する。

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発⾏・発売：株式会社世界⽂化社
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