読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
時計外装のしくみ[ねじ込み式リューズ]
建築などでも使われる外装とは、漢字が示すように外側の装い。ムーブメントを保護し、腕にフィットさせる機能を担う。腕時計は装飾品でもあり、外装は見た目を決める重要な要素。単に機能するだけに留まらず、いかに美観を高めるかも考え、ブランド各社はデザインや仕上げに工夫を凝らす。

外装のしくみ
ねじ込み式リューズ
ケースに開けた穴に巻き芯を通すリューズは、水の侵入経路。ねじ込み式にすることで、気密性は一気に高まる。
[ねじ込み式リューズの役割]
通常のリューズは、すぐに操作できるよう固定されていないため、水やホコリが侵入しやすい。ガスケットが組み込まれてはいるが、風防のように強く圧入できないため万全ではない。ロレックスは1926年、こちらの記事で述べたスクリューバックとともに、ねじ込み式リューズを開発。これにより、時計の防水性能は飛躍的に高まった。現在では、高い防水性が求められるダイバーズウォッチやスポーツウォッチのリューズは、大半がねじ込み式だ。
