読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
なぜ腕時計が“教養”になるのか
時計は発明の蓄積と英知の結晶である
時計によって時間は、宗教や哲学ではなく科学の領域となった。その進化の過程は、科学者や職人たちによる発明の積み重ねだった。
航海用の正確な時計を作ったのは?
ジョン・ハリソン

機械式時計の高精度化に貢献
1714年、イギリス議会は航海中の正確な経度測定法に、2万ポンドの賞金を授けることを議決した。
これを見事手にしたのが、ジョン・ハリソンである。彼は、正確な時計を船に持ち込み、出航地との時差で経度を測定しようと考えた。課題は、揺れ動く船上での振り子の安定と、移動に伴う温度変化による金属の熱膨張。そこでまず、2つの振り子をスプリングでつなげて振動を安定させる構造を考案。また熱膨張率が異なる2つの金属(バイメタル)で錘を吊るし、温度変化にかかわらず重心位置を一定に保つ振り子をも発明した。
最初の渡洋航海クロック
1735年に完成したとされる、真ちゅうのフレームに歯車を取り付けた航海用時計「H1」。上に2つ突き出しているのが、互いにスプリングで結び付けられたバイメタルの振り子。

さらにルビーやダイヤモンドで摩擦を軽減することも考案し、1735年には60日間の海上試験で誤差約5秒という正確さを実現。時計の高精度化に、大きく貢献した。

初の携帯時計にして精度の完成形
諸説あるが、1760年前後に完成した「H4」。ハリソン初の携帯時計で、テンプをバイメタルとし、ルビーとダイヤモンドを使用したことで、超高精度を叶えた。

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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』
特別定価 :1,980円(税込み)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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