
超ハイスペックなF1由来の電動ターボ付き2リッターを搭載
2022年10月、メルセデス・ベンツはCクラス(セダン/ステーションワゴン)をベースに、メルセデスのモータースポーツ&高性能車両開発部門であるメルセデスAMG社がスポーツモデルへと仕立てた「メルセデスAMG C 43 4MATIC+」を発売した。

エクステリアでは最新のAMGシリーズに共通する縦のルーバーによって構成されるフロントグリルが大きな特徴。それ以外にもF1マシンのノーズを彷彿とさせるフロントバンパーやハイグロスブラックのドアミラー、トランク上にそなわるリアスポイラー、4本出しのエグゾーストパイプがスポーティな雰囲気を高めている。

インテリアはスポーツ走行時には体をしっかりとホールドし、また長時間のドライブでも疲労を軽減してくれるAMG専用スポーツシートを標準装備。運転席には12.3インチの大型コックピットディスプレイを、センターには使い勝手のいい縦型の11.9インチのメディアディスプレイを備え、そして会話をするように音声によってナビゲーションやエアコン、オーディオといったさまざまな操作が可能なMBUXや最新のADAS(運転支援システム)など快適&安全性能は、Sクラス譲りのものだ。

スタートボタンを押すと、野太く軽快なスポーツモデルらしい音でエンジンが目覚める。パワートレインは、2リッター4気筒ターボエンジンに、9速オートマティックトランスミッションの組み合わせだ。AMGモデルなのに排気量が2リッターだなんて控えめだなと思っていたら、最高出力は408ps、最大トルク500Nmを発揮する、リッターあたり200psオーバーの超ハイスペックエンジンだった。
メルセデスAMG社のエンジンには、熟練のマイスターが1人で1基を担当し手作業で組み上げる「One man, One engine」という伝統があるが、この2リッターエンジンもそれに則ってつくられたものだ。さらにC43ではこのエンジンに電気モーターと48V電気システムを組み合わせている。この世界初となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーは、F1由来の技術でターボシステム内に電気モーターを一体化。低回転域やアクセルペダルをオフにしたり、ブレーキを踏んだりした場合でも、モーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動し、常にブースト圧を維持できるというものだ。いわゆるターボラグがなく、低回転域から全域にわたって自然吸気エンジンのように加速していく。またマイルドハイブリッド機能も備えており、高速走行時などにアクセルから足を離すと燃料消費を抑えるセーリングモードやブレーキエネルギーを回生するなどして、燃費効率を高めている。