
ジャケットやシャツと異なり数を揃えることの少ない鞄こそ最高のものにこだわりたい。そんな特別を叶える、今最も注目すべき職人のブランドを紹介する。
一生モノのオーラを放つ今、最注目のビスポーク鞄
HOSOÏ-PARIS(ホソイ-パリ)
MOF(フランス国家最優秀職人章)章を得た日本人職人による、メゾンブランドに比肩する逸品
ジャケットやパンツほど沢山の数を持つわけではない鞄こそ、一生愛用できる定番品を求めたい。ならば、とことん満足できる品を探したい。そこで紹介したく今最注目の鞄ブランドが思い浮かんだ。それがこちらの「ホソイ-パリ」なのだ。
代表である細井 聡氏は、かのエルメスの子会社のアトリエで2004年より修業を積み、その後エルメスへ入社、そして2015年にはフランスの“国家最優秀職人章(MOF)”を授章し、2020年に自身のブランドを設立した人物。この経歴を聞くだけでただ者ではないとわかる。そして、実際に彼が手掛けた鞄を見ると、そのオーラに圧倒された。
「個人的に大切にしているのは、ディテールのあり方かもしれません。見映えが良いからといって機能的に意味を持たないディテールを加えることはありません。不要なディテールは、全体の美しさや物としての正しいあり方を損なってしまいます。また、革本来の個性を活かしてデザインをすることも重要です。革自身の持つ長所が、そのまま鞄の魅力となるようにデザインを考えています」
細井氏は自身の物作りについて、このように語ってくれた。全ての製作工程を自身でこなすからこそ宿る、一人の職人の美学が、その鞄から感じられた。

柔らかい革を用いて身体に沿って斜め掛けで持てる鞄。「オレイユ デレフォン GM」縦37×横37×マチ8cm。3700ユーロ。

抱え持ちもできるブリーフケース「サブリエール」縦27×横35×マチ6cm。5800ユーロ。

唯一のバックパックのモデル。「RITA」縦38×横32×マチ13cm。5000ユーロ。