愛用者はかく語る
“永世”一生定番の循環する魅力
ここに紹介する品々は、本誌読者ならどれも何度となく目にしたことがあるだろう。いわゆる“永世定番”アイテムである。その魅力はただの普遍性ではない。再訪するたびに新しい顔を発見できる“循環性”だ。その証を愛用者の声に求めてみよう。

惹かれるのは圧倒的な「超越感」
永世定番
【ハンティング・ワールドのバチューサーパス キャリーオール】
このバッグを購入したのは5年ほど前のことなのですが、実はそれよりずっと前から“いいな”と思っていました。渋カジ世代の先輩に憧れて……というわけではなく、通勤途中にいつも見かける知らない若者が、よくこれを提げて歩いていたんです。相当年季が入って味が出ていました。年の頃からして古着店で買ったものなのかもしれませんが、とにかく格好いいなと思ったんです。ただなかなかの高級品ですから、すぐには手が出なかった。そうして淡い憧れをくすぶらせている間に、たまたまビームスで取り扱いが始まったんです。その数年後、ようやく入手に至ったという次第です。
実際使って感じたのは、“これは色々と超越したアイテムだな”ということ。サファリやトラッドなど色々な文化的背景をもつバッグですが、そういう難しいことを考えず、気楽に装いへ取り入れてもサマになる。私の感覚ではリーバイス501やバブアーなどと同じくらい普遍的に思えるのです。そして、気を遣わずラフに愛用できるのもいい。これもリーバイスやバブアーと共通しています。もちろん気分によって活用頻度の多寡は出てきますが、常に手元に置いておきたいと思わせる魅力がありますね。最近は人気再燃中なので少々持つのに気が引けるのですが(笑)、ほとぼりが覚めたらまた活躍してもらおうと思っています。
[大島さんの愛用品]

談
大島拓身
Bon Vieuxオーナー
1979年生まれ。ビームスで長年ヴィジュアル・マーチャンダイジング担当を務めたのち、かねてから好きだった古着の道へ。高円寺で自らのヴィンテージショップ「Bon Vieux」を営む。
お問い合わせ先
ハンティング・ワールド 帝国ホテル店 TEL 03-3501-7080
[MEN’S EX Autumn 2022の記事を再構成]
※表示価格は税込み