
スーツで、「さらなるWELL」を! #グランドセイコー編
『MEN’S EX』と『NIKKEI STYLE Men’s FASHION』が共催する「SUITS OF THE YEAR 2022」。今年で5回目を迎える当アワードは、「チャレンジを纏う」をキーワードに、その年に最も輝いた挑戦者たちを部門別に表彰するものだ。世の中が再び動き出した今、アワードを通じて改めてスーツを纏うことの意義や価値、愉しさをアピールしたいと考えている。
日本を代表するラグジュアリーウオッチブランド「グランドセイコー」の時計は、そんな“Well”なスーツスタイルに絶好の存在だろう。
ここでは世界的に権威あるジュネーブ時計グランプリにてメンズウオッチ部門賞に輝いた “白樺ダイヤル”の「SLGH005」を取り上げ、その魅力やスーツと合わせたときの効能をSUITS OF THE YEARのアドバイザーを務めるファッションディレクターの森岡 弘氏に解説していただいた。
アップデートされたクラシックに映える、グランドセイコーの新たなデザイン文法

俳優の前川泰之さんが着用しているのは、ピークトラペルのジャケットにラペル付きのダブルブレストのジレを合わせたスリーピース。かなり趣味性の高いデザインだ。
「ここまでクラシックな装飾性の強いスーツは、以前は着にくかったかもしれません。しかしカジュアル化が進んだことで、逆にこういうスーツをビジネスで着ても違和感がなくなっています。そういう意味ではスーツのドレスアップを楽しみたい人には嬉しい時代といえますね」(森岡さん)
とはいえビジネスで着用するなら、コスプレ的にならないよう注意を払う必要があるとも。その点このスーツはクラシックなデザインと裏腹に仕立ては軽快でシルエットもスマート。スーツとタイ、そしてシャツをブルーのトーンで揃えたところもモダンな色気を感じさせる。
「時計が革ベルトのドレスウォッチではなく、メタルブレスレットを装着した『グランドセイコー』というのも、モダンに見せるポイントになっています」
この時計はグランドセイコーの新たなリーディングコレクションとして誕生した「エボリューション9 コレクション」の一員。同コレクションのデザインは1967年の「44GS」で確立した“セイコースタイル”を継承しつつ、視認性と装着性を進化させ、光と陰の表現においてもより日本的美意識を強く反映している。

「ブレスレットを装着した時計はスポーティな印象になりがちですが、この時計はグランドセイコーらしい端正さがあり、隅々までこだわった仕上げにより品格も感じさせる。だからこういうクラシックな3ピースともすんなりと馴染むのがいいですね」(森岡さん)
ダイヤルに施されたダイナミックな型打ち模様も、時計の重厚な雰囲気に貢献していると森岡さん。これはグランドセイコー機械式モデルの製造拠点がある岩手県・雫石の近く、平庭高原に群生した白樺林の情景を表現したものだ。
「遠目は普通のシルバーダイヤルですが、光の角度によって微妙な陰影が楽しめ、近くで見るととても表情豊か。太く堂々とした時針や、細くて長い分針、立体的なインデックスといったグランドセイコー特有のディテールとのバランスも最高です。さりげなく大人の奥行きや遊び心まで表現できる素晴らしいダイヤルの仕上げですね。今、世界中で“白樺ダイヤル”の人気が高いそうですが、それも納得です」(森岡さん)

エボリューション9 コレクション SLGH005
グランドセイコーの新たなデザイン文法を採用した「エボリューション9 コレクション」。すでに国内外で高く評価され、とくに白樺林をモチーフとしたダイヤルを持つご覧の「SLGH005」は、2021年度ジュネーブ時計グランプリにてメンズウオッチ部門賞に輝いたことが大きな話題に。端正にして、スーツ姿をより今らしく彩る1本だ。高効率な脱進機や二つの動力ゼンマイの採用により、毎時3万6000振動のハイビートでありながら最大巻き上げ時に80時間駆動を達成するとともに、薄型化も実現したキャリバー9SA5を搭載。
グランドセイコー
撮影=島本一男(STUDIO BAARL) スタイリング=森岡 弘(GLOVE) ヘアメイク=古口精樹 文=吉田 巌(十万馬力)
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