トラッドの革新者J.プレス&サンズ 青山に学ぶ
「次世代のアメトラ」とは何か?
アメトラの殿堂というイメージでここを訪れると、カルチャーショックを受けることだろう。20代のシティボーイから往年のトラッド好きまで魅了する気鋭ショップに、アメトラの最先端を見た!
「いつも大切にしているのは、“ストーリー”と“スタイル”」──黒野氏

Profile
J.プレス&サンズ ディレクター
黒野智也氏
1985年生まれ。ウィメンズやスポーツウェアなど幅広い分野での経験を経て、2019年より現職。リラックスフィットのセットアップにスウェットやキャップ、スニーカーを合わせるのはJ.プレス&サンズの定番スタイルだ。
2019年に誕生した「J.プレス&サンズ 青山」は、お馴染みの「J.プレス」とはガラリと違った解釈でアメトラを体現するショップだ。その舵取り役を務めるのが黒野智也氏である。
「当店は大きく2本の柱で展開しています。ひとつはより若い世代のお客様へ向けて’18年にローンチした『J.プレス オリジナルス』。そしてもうひとつが、様々な気鋭ブランドとのコラボレーションアイテム群です」
このコラボがまた、実に面白い。ケネスフィールドやクロといった比較的近い立ち位置にある相手だけでなく、ディガウェルのようなモード派に人気のブランドともタッグを組んでいるのだ。
「J.プレスはもともとイェール大学の敷地内で創業し、学生たちの様々なニーズへ柔軟に対応してきたブランド。ですから、異分野のブランドとコラボするのも決して突飛ではないと考えています。ただもちろん、話題作りのために無節操なコラボを行うことはありません。私が大切にしているのは、ストーリーとスタイル。なぜ作るのか、どう作るのかを明確にし、それを物語として一着一着に込める。そして、常に“どう着るか”というビジョンをもちながら服を作る。定番の服も、ちょっとした着こなし方でガラリと印象が変わりますよね。古き良きアメトラを継承しつつ、そこにどういう要素を加えれば新しいスタイルを提案できるか。それを絶えず考え、実践することこそが、“次世代のアメトラ”の表現だと思うのです」