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知られざる伝説がまだまだ残っていた!?
「ロイヤル オーク」50年目の真実
ジェラルド・ジェンタが明かした超・永久保存版
ロイヤル オークをデザインしたのは、時計界のピカソと言われる奇才、故ジェラルド・ジェンタ。晩年、彼の口から真実が次々と明らかになった。
50年前の1972年4月15日、スイスを代表する老舗時計ブランド、オーデマ ピゲが発表した腕時計は、あまりにも衝撃的だった。8角形のベゼルをビス留めした伝説の時計……。まだ知られていない真実をお伝えしよう。

新ロイヤル オーク50周年の特別仕様
高級時計の概念を覆したステンレススティールの腕時計。その後、クォーツが開発されたことで暗黒時代に突入するスイス時計産業で、1970年代に誕生し、今なお現役の時計は真の実力モデルだ。50周年を記念した最新のコレクションにも注目したい。時計の詳細は下でご紹介します。
いま明かされる5つの真実
1.当時の価格は?
ゴールドより高いSSモデルとして話題に

いまでは考えられない強気な価格設定
スティール製初代ロイヤル オークの価格は3300CHF(スイスフラン)。同時期のゴールドケースの3針モデルが2990CHFであったことからも、いかに高額だったかが分かる。広告でも「ゴールドより高いスティールウォッチ」とストレートに表現。ちなみにロレックス・サブマリーナー(SS)の当時価格はロイヤル オークの3分の1以下だった。
2.特許はある?
ケース構造の特許を2年がかりで取得

モデル発表の1年前に特許を申請
ロイヤル オークの開発プロジェクトは、1970年からスタートしており、1971年12月6日に特許を申請している。ベゼルやリューズ、ダイヤルのガラスの仕様に至るまで、非常にこと細かくデザインを定義し、防水性を確保するケース設計のメカニズムに関しても言及していた。1973年9月4日にその特許が承認されている。
3.最初からヒットした?
人気が出たのは1977年から

イタリアで人気が出るまで売れ行きは低迷
どの業界でも言えることだが、奇抜なデザインは受け入れてもらうまでに時間がかかる。オーデマ ピゲのロイヤル オークも、その型破りな性質から社内でも「L’ enfant terrible(問題児)」と呼ばれていた。この状況を打破したのが、時計情熱国であるイタリアだった。1977年にはイタリアでの総販売本数が472本を記録し、翌年には1597本に。1979年には1737本に達している。
4.デザインモチーフは?
潜水士のヘルメット

幼き日に記憶したダイバーのヘルメット
当初、ロイヤル オークのデザインはモデル名の由来でもある英国海軍の戦艦「ロイヤル・オーク号」の船窓がモチーフだといわれてきた。しかし後のジェラルド・ジェンタ氏へのインタビューで、8角形ビス留めのアイデアは、幼き日にジュネーブのポン デ ラ マシン橋で見た潜水士のヘルメットから得たことが判明。その力強い8つのボルトを、時計で表現してみせたのだ。
5.なぜ大量に作らない?
「作らない」ではなく「作れない」

アイコンであるベゼルだけでも70工程以上
いま最も入手しづらい時計と言われるオーデマ ピゲのロイヤル オーク。だったらなんでたくさん作らないの? と安易に考えてしまうが、それは違う。ケースのエッジ部分を磨く面取り作業など、工程数は全部で162。ベゼルだけで70以上もあり、外装の仕上げには10時間以上かかる。なお、一体型ブレスレットのパーツ数は154点、リンクには15以上のパーツが必要だ。
誕生前夜のタイムライン
【1970年4月】プロジェクト始動
当時、グローバルCEOであったジョルジュ・ゴレイ氏がジェラルド・ジェンタ氏に一本の電話を入れたことからプロジェクトがスタート。
【1970年6月】初のプロトタイプ
初のプロトタイプは、実はホワイトゴールド製。複雑な形状はスティールでは難しく担当したファーブル・ペレ社は、プロトタイプ4本をゴールドで製作。
【1971年】ジェンタ氏が改良を重ねる
プロトタイプで明らかになったスティール時計製作の難しさを克服するためジェンタ氏が何度も改良を重ねる。それでも当初のコンセプトは守られた。
【1971年】生産前に購入交渉
ジェンタ氏が改良を重ねるなか、ゴレイ氏はロイヤル オークを生産前の段階でSSIH(現在のスウォッチグループ)に購入してもらう交渉をまとめる。
【1971年12月】モデル名を考案
オーデマ ピゲのイタリア市場の代理人カルロ・デ・マルキ氏が「ロイヤル オーク」の名称を考案。その他の候補として「サファリ」や「キリマンジャロ」があった。
【1972年4月】ロイヤル オーク発売
1971年、SSIHにプロトタイプを送りゴーサインが出ると翌年発売を開始。最初に完成した16本のうち、通番の奇数をスイス、偶数をイタリアに出荷した。
誕生後のモデルの変遷

【1977年】
インデックスにダイヤモンドを採用した、Ref.4100。12時位置にAPロゴが入り、2針から3針に変更されている。

【1993年】
Ref.14800/0009。レザーストラップが装着されるレアモデルだ。タンタル製のミドルケースに18KPGベゼル。

【1999年】
薄型の自動巻きムーブメント、キャリバー2121を搭載したRef.15202/944。オリジナルに忠実な2針が復活。

【2012年】
Ref.15400/1220は22Kゴールドローターを持つ自社製のムーブメント、キャリバー3120を搭載。