最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
ロンジン マスターコレクション
LONGINES(ロンジン)

ドレスアップスタイルにも合うフルカレンダームーン+クロノ
1832年に創設され、2022年で創業190年を迎える名門ブランドのロンジン。約2世紀にわたる長い歴史において、数々の名作を世に送り出しているが、ヴィンテージ時計ファンの間でとりわけ人気が高いのがクロノグラフ。なかでも名作と謳われるのが、1936年に開発したCal.13ZN搭載モデルである。このムーブメントはフライバック機能を採用したハイグレードな機構はもちろんのこと、とにかく仕上げが美しく、見る者を圧倒した。さらに’47年に登場した同じくフライバック付きの後継機Cal.30CHでは、機能性を大幅に改善し、さらに完成度を高めた。これらの2作は正真正銘の歴史的傑作ムーブとして今も語り継がれている。
そうした名門の歴史を受け継ぎ、2005年にスタートしたのが「ロンジン マスターコレクション」だ。これに加わったクロノグラフは、高いデザイン性と技術を融合した1本となる。サンレイ加工が施されたブルー文字盤は、角度によって表情が変わる美しい光沢をもち、品格を感じさせつつもスタイリッシュな印象を与える。その上に30分・12時間積算計、スモールセコンドの3つのインダイヤルを縦に並べ、それぞれのインダイヤル内に曜日・月表示、ムーンフェイズ、24時間表示を統合。センターのポインターデイトを含め、3カウンターおよび3カレンダー&ムーンフェイズの多機能ながら、各機能を集約したことで煩雑にはならず、端正で気品あるデザインが味わえる。
そして内部には自動巻きCal.L687を搭載。同じスウォッチグループのETA社が、汎用ムーブメントをベースにコラムホイールを追加し、ロンジンのために作り上げた高品質機である。シースルーバック越しに青色に染めたコラムホイールをはじめ、その精緻な動きを眺めることもできる。名門の伝統とエレガンスが詰まった本作ならドレススタイルにも最適だ。
ロンジンのために作られたエクスクルーシブキャリバー
ETA社の汎用ムーブに改良を加えたロンジン専用の上級キャリバー「L687」を搭載。ケース裏に採用したシースルーバックを通し、ブルーのコラムホイールなどが観賞できる。
