最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ ポルシェスペシャルエディション
TAG HEUER(タグ・ホイヤー)

“カレラ”で繋がるポルシェとコラボしたレーシングクロノグラフ
1963年、モーターレース好きのジャック・ホイヤーが、’50年代に開催された「カレラ・パナメリカーナ・メヒコ」にインスピレーションを得て誕生した腕時計クロノグラフ「カレラ」。じつはポルシェもまた、この伝説的ロードレースに多大な影響を受け、カレラの名を冠したレーシングカー「911カレラ」をʼ72年に発表している。両者の縁はそれだけにとどまらない。’60〜’70年代にかけて活躍したスイス人ドライバーのジョー・シフェールは、ポルシェ907に乗車して数々のグランプリで勝利を収めたが、彼はジャック・ホイヤーとも親しい間柄であり、レースでは常にホイヤー製のクロノグラフとホイヤーロゴがついたユニフォームを着用していたという。
そんなタグ・ホイヤーとポルシェが運命の出会いを果たし、2022年スペシャルコラボレーションモデルを発表した。本作にはポルシェ「911カレラ」に着想を得たデザインを随所に取り入れている。まず、時計全体にポルシェのトレードマークカラーであるレッド、ブラック、グレーの3色を大々的にフィーチャー。タキメーター付きのブラックセラミックベゼルには、赤色でポルシェのロゴを施した。またグレー文字盤の表面には、路面をイメージした繊細かつ大胆な“アスファルトエフェクト”の装飾が刻まれ、そこに並んだミニッツインジケーターの数字にもポルシェのフォントを使った。
さらに、シースルーバックを通して眺められる自動巻きキャリバー「ホイヤー02」も、ブラック&スケルトン仕様のローターでポルシェのステアリングホイールを再現。通常とは異なる仕様である一方、コラムホイールや垂直クラッチを採用し、約80時間のパワーリザーブなど変わらぬ高性能を発揮する。カラー、フォルム、デザインと、すべてにおいてポルシェへの愛情が感じられる特別モデルだ。
ホイヤー02のローターはステアリングをイメージ
約80時間パワーリザーブを誇る自社製Cal.ホイヤー02を搭載。自動巻きローターは通常モデルと同じ精悍な黒だが、デザインはポルシェ車のステアリングホイールを再現した。
