最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41
IWC(アイ・ダブリュー・シー)

人気のパイロットクロノに小ぶりで薄くなったモデル追加!
IWCの精悍なスポーティスタイルを象徴するパイロット・ウォッチシリーズ。そのルーツは1930年代半ば、民間航空機用に開発された「スペシャル・パイロット・ウォッチ」に遡ることができる。非常に堅牢なつくりで、-40℃〜+40℃までの気温に耐え、耐磁性を備えた手巻きムーブを搭載していた。’40年代になると最も有名なパイロット・ウォッチ「マーク11」が登場。英国空軍の要請で製作されたこのモデルは、画期的な軟鉄インナーケースでムーブを守り、強力な磁力が発生する戦闘機内でも確かな精度を発揮した。そして近年のシリーズの先駆けとなったのが「パイロット・ウォッチ・ダブルクロノグラフ」。バルジュー7750ベースの縦並び3つ目のクロノで、ケースにいち早くブラックセラミックを導入したデザインも斬新だった。
2021年発表の「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ41」では、それらの伝統を踏まえつつ、進化したスタイルが特徴となる。ケースは従来よりもコンパクトな直径41mmになり、防水性が10気圧に向上した一方、ケース裏には新たにシースルーバックを採用。コラムホイールでクロノグラフのスタート/ストップ/リセットを制御する、高性能な自社製キャリバー69385を眺めることが可能になった。また、文字盤は表面にサンバースト、3カウンターには波紋のギョーシェを施した艶やかなグリーン。スポーティに加えてエレガントな雰囲気も漂う。
本作はディテールの進化も見逃せない。ブレスレットは人間工学に基づくスリムな形状となって着け心地がいちだんとアップ。同時にクラスプには微調整システムが追加され、快適なフィット感が得られる。さらに、新開発の「EasXチェンジ・システム」を採用したことでストラップ交換も容易に。細部まで着実に進化した待望の新パイロットクロノだ。
シースルーバックから自社製Cal.69385を視認!
自社製の新キャリバー69385。231個のパーツで構成され、コラムホイールを採用した高品質な1品だ。シースルーバックを取り入れたことでその精緻な様子が見渡せる。
