最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
クロノマスター スポーツ
ZENITH(ゼニス)

新世代型エル・プリメロ搭載高速クロノ針が10秒で1周!
しばしば“名機”の称号とともに語られるゼニスのクロノグラフムーブメント「エル・プリメロ」。なぜこれが名機と呼ばれるのか? その理由はテンプの振動数にある。多くの自動巻きが毎時2万8800振動なのに対し、エル・プリメロは1秒間にテンプが10回振動する毎時3万6000振動。この振動数が多いほど、高い精度が出しやすい。一方で高振動なほどパーツの摩耗などにより耐久性に難が生じるのだが、ゼニスは組み立て時に特殊なオイルを使用することなどでこれを克服。事実、これまで他社でも多くの時計が本作を搭載してきたことが、その性能と耐久性の高さを物語っている。
また、毎時3万6000振動のもうひとつのメリットは1/10秒計測の実現。すなわち0.1秒単位の精密計測だ。このメリットを最大限に活用したモデルが新作「クロノマスター スポーツ」。搭載するのはエル・プリメロの最新キャリバー「3600」。その最大の特徴は、クロノグラフを駆動させる輪列を変更し、文字盤センターのクロノ針が10秒で1周する仕様となること。艶やかなブラックセラミックベゼルに、これに対応した1/10秒目盛りを刻むことで、ハイビートならではの精密な計測値を一発で読み取ることができる。
文字盤には1969年に初登場したエル・プリメロモデルと同様、ブルー、アンスラサイト、ライトグレーの3色インダイヤルを備える。金属製のアプライドインデックスは高級感漂うロジウムプレート加工で、スーパールミノバを施したことにより昼夜とも視認性に優れたスタイルに。さらにケース&ブレスレットは人間工学に基づく一体型の設計となり、手首へのフィット感もこのうえない。
誕生から50年を超えた今も、名声を高めるばかりのエル・プリメロ。ハイビートの特性を機能とデザインに活かした新作では、また新たな進化を遂げている。
50年以上にわたり進化を続けるエル・プリメロ
新型の自動巻きキャリバー「エル・プリメロ3600」を搭載。ゼニスが50年以上前に開発し、その後、時代とともにさまざまな進化を遂げてきた伝説的ムーブメントの新型となる。
