最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
ロイヤル オーク オフショア クロノグラフ
AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)

圧倒的存在感の人気クロノグラフが遂に自社製ムーブメント搭載!
2021年、「ロイヤル オーク オフショア」が2000年代の初期以来、久しぶりに大々的なモデルチェンジを果たした。本作について語る前に、まず原点となる「ロイヤル オーク」に触れてみたい。1972年に誕生し、今年で50周年を迎えるこのモデルは、当時、高級時計ではタブーとされていたステンレス製ケースをまとう画期的な姿で登場。デザインを手がけたのは“奇才”ジェラルド・ジェンタで、ダイビングヘルメットに着想したビス留めの8角形ベゼル、ブレス一体型のケース、独特の正方形装飾が並ぶタペストリー文字盤を擁して、後のラグジュアリースポーツの先駆けとなった。その斬新なスタイルは今なお絶大な人気を誇り、1点1点がハンドメイドなこともあって入手困難な状態が続いている。
そんな世紀の名作をもとに、’93年、よりダイナミックなデザインで登場したのが「オフショア」である。意外にも従来は自社製ムーブにクロノモジュールを追加したキャリバーを採用していたが、最新クロノグラフでは遂に完全自社製の一体型クロノキャリバー4401を搭載。ワンランク上の機能が味わえるフライバックに加え、約70時間パワーリザーブを実現した高性能ムーブメントである。シースルーバックを通し、コラムホイールやブラック加工のピンクゴールド製ローターなどを観賞することも可能だ。
また、デザインも大幅に変更された。チタン製ケースに幅広のポリッシュ仕上げを施し、各パーツが絶妙にカーブする洗練されたデザインに。象徴的な文字盤の“メガタペストリー”はよりシャープな造形となり、新しい溝の交差パターンがいっそうコントラストを鮮明に見せる。さらに独自の交換可能システムを取り入れ、付属または別売りの交換用ストラップとの付け替えも簡単。オフショアの特徴を守りつつ、新たな進化を見せつけた。
自社製キャリバー4401は高性能フライバッククロノ
今回、オフショアでは初の自社製クロノグラフキャリバー4401を搭載。リセットなしに再スタートが可能なフライバック機能付きで、約70時間のロングパワーリザーブを備える。
