高い防水性能や堅牢性によりアウトドアやスポーツでの活躍はもちろん、ファッションアイテムとしても人気のダイバーズウォッチ。そんなダイバーズのバイヤーズガイド『超本格ダイバーズウォッチ大全』が発売に。ここでは、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のダイバーズウォッチ】
プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル SBDX038
SEIKO(セイコー)

通称“ツナ缶”ヘリウムバルブなしで1000m防水のプロ仕様ダイバー
セイコーダイバーズの歴史の中で忘れてはならない名作が、1975年の「外胴プロテクター構造 600mダイバーズ」である。時は遡り1968年、広島県呉市のプロのダイバーからセイコーに一通の手紙が届いた。その内容とは、「現在市販されているダイバーズウォッチは、300m以深の深海潜水において、高圧ヘリウムガスを用いる飽和潜水システムには耐えられない」というものだった。
そこでセイコーは開発プロジェクトチームを立ち上げ、長年の研究の末、’75年に世界初のチタンケースを採用した600m飽和潜水用ダイバーズを生み出す。
このモデルはチタン製の外胴プロテクターでケース本体を覆い、世界最高峰の水密性と気密性に加え、耐食性、耐擦傷性といった耐久性能を確保。ケースだけでなく、装着性と安全性に配慮した蛇腹式ポリウレタンストラップなど、外装だけでも23の独自技術を注いだ。また、その個性的な外観から“ツナ缶”という呼び名で長く愛されたのである。
この“ツナ缶”の技術とデザインはその後も脈々と受け継がれ、現在もセイコーダイバーズの顔として君臨する。新作「プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル」では、ケース本体に伝統のチタンを使用する一方、ブラックセラミック製の外胴プロテクターを採用し、いっそう耐衝撃性や耐擦傷性が向上。ベゼルには輝きが長く持続するエバーブリリアントスチールを取り入れた。
そして、裏蓋のないワンピース構造のケースに、材質を改良した風防や、ダイバーズ専用の堅牢性の高いムーブメントを組み合わせることで、オリジナルをはるかに凌駕する1000m防水を確保。しかもヘリウムガスのエスケープバルブなしで、このハイスペック仕様を実現した。さらに純鉄製の文字盤を備えることで、JIS規格の耐磁2種を上回る4万A/mの高耐磁性も。最高峰のスペックと技術を満載した真のプロダイバーズがここにある。
デザインにも魅力を与える衝撃に強い外胴プロテクター
1975年モデルから継承した「外胴プロテクター」。この特殊なセラミック製のアウターケースが、本体を包み込むことで耐衝撃性を格段に高め、同時に、通称“ツナ缶”の由来ともなる個性的デザインをもたらす。
