本格眼鏡とは? なぜ本格眼鏡が必要なのか? どんなブランドがあるのか? を一冊で網羅する『本格眼鏡大全』が発売に。1000本ものフレームが掲載された本書から、ここでは国内外の本格眼鏡ブランドをピックアップしてご紹介する。
MASUNAGA since 1905(マスナガ シンス 1905)

福井眼鏡産業の祖にして世界が認める存在
日本最大の眼鏡産地である福井県。福井の眼鏡産業は、実は増永眼鏡から始まっている。1905年、村会議員を務めていた増永五左衛門が、雪国である福井に地場産業を興すために大阪や東京の職人を呼び寄せたことが、眼鏡作りの始まりだ。そして「帳場制」という制度を採用し、多くの職人を育てながら、福井は世界最高峰の技術を誇る産地へと発展した。分業制が主体の福井において、同社は今なお自社一貫生産体制を維持。技術が途絶えぬよう自社で職人を育て、眼鏡作りの技術を継承し続けている。
そんな増永眼鏡を象徴するブランドが、マスナガ シンス 1905だ。同ブランドには、現在4つのシリーズが存在する。
1933年に昭和天皇へ献上した眼鏡にインスパイアされた「G.M.S」シリーズ、1970年大阪万博のタイムカプセルに収納された銘品「Custom72」を引き継ぐ、プラスチックフレームのコレクション「光輝」シリーズ。これらは、過去の銘品のフィロソフィーを引き継ぎながらも、現代のトレンドに合わせてデザインされている。「Titan」シリーズは、同社がもつ高い技術を駆使して、革新的ながらエレガントな“新たな上質”を表現。2019年には、ミニマルなメタルフレームの「Chord」シリーズもスタートした。
その高度な技術力に加え、近年ではデザインにおける評価も高く、日本のブランドとして2013年、2014年、2015年の3年連続でシルモドールを受賞するという快挙も達成。福井眼鏡産業の祖にして、世界が認める存在でもあるのだ。
MASUNAGA since 1905(マスナガ シンス 1905)
BRAND INFO
創業年/1905年
創業者/増永五左衛門
現在地/日本・福井県
問い合わせ先/MASUNAGA1905
TEL:03-3403-1905

眼鏡産業を福井に興した人物
増永眼鏡の創業者である増永五左衛門。雪に閉ざされてしまう福井の農閑期に、屋内でもできる仕事として眼鏡作りに着目。東京や大阪から職人を呼び寄せ、一からスタートさせた。