本格眼鏡とは? なぜ本格眼鏡が必要なのか? どんなブランドがあるのか? を一冊で網羅する『本格眼鏡大全』が発売に。1000本ものフレームが掲載された本書から、ここでは国内外の本格眼鏡ブランドをピックアップしてご紹介する。
“12”homemade(トゥエルブ ホームメイド)

ハンドメイドならではの味わい深さが人気
トゥエルブ ホームメイドは、眼鏡職人の土屋 潤氏がデザインから生地の削り、磨きといった眼鏡作りのすべての工程を1人で行うハンドメイドのブランドだ。
ブランド名の由来は時計の文字盤の最初にある「12」の数字から。そこにはモノ作りのスタート地点や初心を忘れないという想いが込められている。1人の職人によるハンドメイドのため、年間生産数400本程度の受注生産だ。“入荷待ち”もしばしばだが、それでも手に入れたい人が後を絶たないのは、手作りならではの温かみや味わいがあるから。
例えば、アセテートフレームは飴細工のような美しいツヤや、柔らかな丸みが特徴だ。フレームを研磨する際に、バフと呼ばれる回転する繊維を使用するが、土屋氏はゆっくりと時間をかけて、何度も手磨きを行う。仕上げの磨きはあえて回転数を落とし、繊維がフレームを包み込むように磨くことで、手触りの良い独特の丸みが実現するのだ。重厚なフォルムとは裏腹に、掛け心地が良いのもポイントだ。テンプルはしなりが出るように、厚みやラインをmm単位で調節しているため、フィット感は抜群。土屋氏はこれら眼鏡作りの膨大な作業を手で触って目で確かめながら行うと言う。その丁寧な仕事の積み重ねによって、柔らかな表情があり、掛け心地も良い高品質な手作り眼鏡が誕生するのだ。
大量生産にはない味わい深さがあるトゥエルブ ホームメイドは、待ってでも欲しくなる“代わりが存在しない”ブランドだ。その理由は明らかだろう。
“12”homemade(トゥエルブ ホームメイド)
BRAND INFO
創業年/2004年
創業者/土屋 潤
現在地/日本・愛知県
問い合わせ先/12ホームメイド
TEL:052-409-5153

デザイナー
土屋 潤ー
眼鏡職人である土屋氏は、鯖江の工場で修行した後、2004年に地元の愛知県でブランドをスタートさせた。ショールーム兼ガレージの工房で独り黙々と眼鏡に向き合っているのだ。