手元の所作を美しく見せる知的な薄型時計
手腕、手練、上手、敏腕など、賞賛の意を込めた手や腕に関する成句は多い。手は体の重要な一部であり、手元の主張は時に言葉以上の説得力をもつ。ゆえに自らのキャラクターを表すメッセージとしての意思ある時計選びが重要となるのだ。

薄学、薄遇、軽薄など、「薄」のつく漢字は何かと悪いイメージに使われがちである。しかしこれが腕時計だと、話は別。薄いことが、美徳となる。薄いケースは、エレガントな印象を高めるからだ。
機構がシンプルな薄型時計は、ビジネスシーンにおける王道。厚さ10mmを切った薄いケースは、タイトに絞ったシャツの袖口のドレス感を損なわずに収まり、手元の所作を美しく見せてくれる。そして物静かで知的な雰囲気を醸し出す。ムーブメントも当然薄く、組み立てには慎重さが求められる。
また同軸に取り付けられる各針の隙間もギリギリまで狭めねばならず、丁寧な作業が必須。結果、上質さを高める薄型時計は、モノの本質を知る大人にこそふさわしい。
GRAND SEIKO(グランドセイコー)

服部金太郎生誕160周年記念限定モデル SBGZ005
創業者の生誕160周年を祝し、初代GSの姿をプラチナで再現。放射模様を施した優美なダイヤルは、打ち出しでロゴや秒目盛りなどを設え、薄さの中に立体感を育んだ。84時間駆動のスプリングドライブを搭載。限定50本。手巻きスプリングドライブ。径37.5mm。プラチナケース。クロコダイルストラップ。1050万円(セイコーウオッチお客様相談室)