巨匠が最後に象ったのは?
アルネ・ヤコブセンのリリー

腰掛けるだけのものとあなどるなかれ。椅子は美術品のように美しい家具だ。 これは20世紀を代表する建築家アルネ・ヤコブセンの作で、アント、スワン、エッグ・チェアと、自然造形への執心を形にした氏の遺作となった“最後の椅子”。
巨匠が最後に象(かたど)った造形は何か、おわかりだろうか。
答えは「リリー」の名のとおり百合。平面は一切なく、曲線が身体を優しく受け止める。有機的曲線美は眼福にも。 ちなみに百合の花言葉は「威厳」と読者にふさわしい。験担ぎに一脚、是非。
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リリーの登場から50年を記念してできたウォルナット材タイプ。当時の技術では4脚に1脚しか出荷できないほど、製造難易度の高いデザインだった。15万2000円(フリッツ・ハンセン青山本店)
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フリッツ・ハンセン青山本店
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[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)