モダン・テーラードJK“今”な素材選び
「ヘリテージリネン」で春ジャケStyleに味を出す

こちらの記事で分類した「モダン・テーラード」ジャケットは、最もワイドレンジに活用できるアイテム。
ゆえに、様々に装える汎用性と今の時代感をバランスよく備えた選びが肝心だが、その具体的なトピックとしてまず注目したいのが「ヘリテージリネン」。
春夏においてリネンの提案が増えるのは珍しいことではないが、今季はその中でもリネンの表情を全面に打ち出した、クラシックな趣の濃いジャケットが際立って多いのだ。その豊かな表情は、手堅くまとまりがちなコンサバジャケットスタイルに小気味良い味を加えてくれる。
さらに特有の涼感が目を惹いて、粋な季節感も表現できるというわけだ。左で挙げる3条件を指針に、是非取り入れてみてほしい。
BELVEST / ベルヴェスト
アンコン仕立ての名作「ジャケット イン ザ ボックス」にリネンウールのサマーツイードを載せた一着。シルバーグレーのエレガントな色合いが大変涼しげだ。ウェイトのある生地を用いつつ、仕立ての軽さで暑苦しさは皆無。21万4000円(エストネーション)
「ヘリテージリネン」とは
●素材感を引き立たせる淡色
紺などの濃色も悪くないが、リネンならではの表情を引き立たせるなら淡色がベター。春らしい軽快感も呼び込める。
●ハリコシに優れた重めの生地
ペラペラなものより、適度な厚みとウエイトがあるクラシックな生地が復権。一方で仕立ては軽いものが◎。
●格調ある佇まいを築く英国柄
柄物なら、ヘリンボーンやガンクラブチェックなど英国伝統の柄が今季的。カジュアルダウンしても品格をキープできる。

左:SARTORIA YPSILON / サルトリア イプシロン
右:LATORRE / ラトーレ
左:茶系の濃淡が入り混じったヘリンボーン生地。クラシックリゾートを思わせる優雅な佇まいだ。一方、ややコンパクトなラペルなど若々しさも備え、大仰に見えないのがいい。11万9000円~〈オーダー価格〉/サルトリア イプシロン(伊勢丹新宿店)
右:秋冬のイメージが強い茶系のガンクラブチェックも、リネンの軽やかさで爽やかに装える。裏地を省いた仕立てにより、素材の風合いを引き立てているのもポイント。9万4000円/ラトーレ(エディット ウェアハウス)
【One Point】タイもリネンで揃えて涼感をアップ

タイドアップの場合、タイもリネン素材で統一するのが定石。より涼やかさが生まれるとともに、柄×柄でも素材がリンクして馴染みやすい利点も。
ERNESTO / エルネスト

サラリとノータイでも寂しさナシ
リネンの風合いが存在感を発揮し、シンプルにカジュアル使いしても気の利いた装いに映る。こちらはリネン×シルク素材をざっくりとしたバスケット織りにしたもの。かなり大ぶりのグレンチェックも印象的だ。14万8000円(バインド ピーアール)
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年4月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)