
セレクトショップのスーツは日本人カスタマーが育ててきた。日本のマーケットを見つめ続け、日本人が袖を通したときのビジネスでの佇まいを突き詰めた名作スーツならではの工夫とは?
STRASBURGO/ストラスブルゴ
専属テーラーによるこだわりのパターンを採用

スーツ13万円、シャツ2万2000円/以上ストラスブルゴ、タイ3万1000円/アット ヴァンヌッチ、チーフ2万円/キートン(以上ストラスブルゴ)
ストラスブルゴでは10年ほど前からテーラーの大島崇照氏と専属契約を結んでいる。通常はビスポークを担当するが、じつは2017年の秋冬からは彼が監修したレディメイドのスーツも店頭に並べられている。
「英国のスタイルをベースに、肩を柔らかくし、ウエストの絞り位置はやや高めにしてシャープな印象を狙っています。日本人のクセにあわせ少々前肩ぎみ、カマを浅くして袖幅は広く、袖山を低くし運動性を確保します」

専門学校卒業後、社会人を経て単身渡英しビスポークテーラーで学び、さらにミラノの最高峰サルトの影響も受けている大島さんらしいところだ。
「ジャケット部分の前ダーツを下まで縫っているのも、既製品では珍しいのでは? 腰周りが膨らみにくくなって、さらにシャープな印象になるんです」
丁寧な針仕事やパターンで魅了する。それが大島さん流の日本人のためのスーツだ。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年12月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)