
日本からの距離も近く気軽に足を運びやすいマカオは、一攫千金を夢見るギャンブラーたちにとって格好の目的地だった。しかし、今やここマカオの愉しみはカジノだけに留まらない。東西の古き良き街並みと相対し、エンターテイメント文化と共に発展した統合型リゾートやラグジュアリーホテルの上陸により、マカオは一大”アートタウン”へと変貌を遂げている。「アートで巡るマカオ」こそ、旅人を驚かせ感動を与える、今もっともエキサイティングなアジア旅だ。
カジノの街!? いや、これからは芸術の街だ!

今、マカオは自由に鑑賞できるアートの宝庫だ
ここ10年でマカオは目覚ましく進化し、躍動する街に生まれ変わった。「マカオへの旅=カジノ」は、ひと昔前の話。今や、マカオでは日本でも話題の「IR(Integrated Resort)」の開発がピークを迎えている。IRとは、カジノだけを指すのではなく、スパやプール、グルメ、ショッピング、シアター、ショーなど、ホテルに滞在するだけで十分楽しめる要素が凝縮した統合型リゾートのこと。
そして、成熟したデスティネーションとして、また観光素材の奥行きを出すうえで、マカオ当局が近年力を注いでいるのがアートだ。アートをマカオ観光の新たな目玉にしようと、マカオ政府文化局の主導で、IR運営事業者6社が協賛、参加、「街全体が美術館」をコンセプトに、街全体をアート・ギャラリーに見立て、文化的な魅力を発信している。
しかも、マカオの街に点在するアート作品のほとんどは、パブリックスペースに展示されており、目印のスタンドを探しながら自由に作品を鑑賞することができる。これは、この街ならではの贅沢なアートの愉しみ方だ。
特に、マカオ半島を隔てた北部のタイパ・ビレッジや南部のコロアンでも、街をあげて政府やビルオーナーらと共同で、アートによる活性化に力を注ぐ。空き家や倉庫の壁をキャンバスに見立て、地元の美術学校出身者や海外で活躍する新鋭の芸術家たちが自由に創作活動を行えるよう環境を整備しているのだ。
さらに、香港との間に「港珠澳大橋」が開通したことも、マカオ人気に追い風を吹かせている。これにより香港空港とマカオがバスにより40分程度で繋がった。香港〜マカオ・珠海間のアクセスが飛躍的に便利になったのだ。アートを軸としたマカオを取り巻くエリアから、ますます目が離せない。



