入門から応用まで守備範囲の広い
白黒チェックが最旬で万能だ

無地のジャケットは着こなしに悩まなくていいが、さすがにそればかりでは装いがマンネリに陥る。そもそもスーツ以上に生地で冒険できるのがジャケットの良さ。成熟した男のセンスや余裕を示すためにも柄ジャケットを積極的に愉しむべきだろう。
ただひとつ留意しておきたい点は、柄ジャケットは選びを一歩間違えると悪目立ちしてしまうこと。とくにビジネスでも着用することが前提なら、あまり派手な印象の柄は避けたい。そこで本誌が推奨するのが、シンプルに白と黒のみで構成されたチェック柄だ。たとえばチェックの格子が細かいタイプなら、ほとんどグレー無地感覚でシックに着用でき、着こなしもぐっと簡単になる。
一方柄が大きい場合も、色使いを白黒に抑えていればうるさくならず、むしろストイックな男の色気が強く薫ってくる。つまりチェック柄の入門から応用まで、白黒でまとめていれば失敗は少ないわけだ。
じつは今シーズンは白黒チェックのジャケットが店頭を賑わせている。ここ数年多彩な色を用いた柄ジャケットが多かった分、ぐっと新鮮に見えるのもこれらのメリット。ハウンドトゥースやグレンチェックといった英国クラシックの定番柄も白黒ならどこかモダンな雰囲気となり、柄本来の美しさが際立つのもいい。これで着こなし全体をモノトーンに徹すれば、簡単に都会的なムードを纏えるだろう。
この秋冬、ジャケットの粋を存分に愉しみたいなら、この白黒チェック、是非トライして欲しい。
【グレンチェック】GLEN CHECK
DRAKE’S / ドレイクス

世界的な人気を背景に今やすっかりトータルブランドへと進化を遂げたドレイクス。こちらは英国製グレンチェック生地を用いたビームス別注作。日本人仕様の時代感あるフィットのほか、前身頃を後ろ身頃より長めに取るアレンジを施した。正統派の顔立ちながらモダンなムードが薫る一着だ。ウール100%。13万9000円(ビームス 六本木ヒルズ)