秋の装いを楽しむ月が始まった。もちろん、”買う”である。この時季はスーツよりもいいジャケットからまずなくなると聞く。実際に着る時季は少し先だが、残暑中になくなりそうな至極を、編集部が厳選してお届けする。
CESARE ATTOLINI × TOMORROWLAND
チェーザレ アットリーニ × トゥモローランドのカシミアブレザー

昨シーズンより展開するカシミアジャケットをメタルボタンのブレザーで別注。芯地を省くアンコン仕立て、ナポリ最高峰のアイロンワークや随所に手縫いを駆使することで、上品な立体感が保たれる。段返り3Bにアンティーク調の金ボタンもクラシックさが引き立つ。
ブレザーなのに”エレガンスの極致”
やはりトラッドの洗礼を受けて育ってきたM.E.読者にとって、なくてはならないジャケットといえば紺ブレだ。
ただ、リラックスや抜け感が求められる今の時代にフィットしたものなら、ナポリテーラリングの最高峰、アットリーニが手掛けた一着が格別だ。色こそ紺だが、溢れるようにラグジュアリーなピュアカシミアの光沢と色気に、これがブレザーなのかと目を疑った。スポーツブレザーにありがちな、あの均一で機械的なステッチワークは、甘くて柔らかいハンドステッチに。身体に沿わせるセクシーなシルエットからは、鎧を思わせるボクシーなそれは微塵も感じさせない。
馴染みの紺ブレにチノパンではあるが、若き日のブレザー姿とは一線を画す。そんな今の時代にぴったりな、成熟した大人のちょっと新しいトラッドマインドを、再び覚ませるはずだ。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2019年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)