
4ドアセダンから脱却したクーペスタイルの旗艦
そのデザインはシャープで未来的で格好いい。どことなくドイツ車風に見えるけれど、ドイツ車特有の冷たさは感じられず、直線基調なのに躍動的でエモーショナルに見える。
新型プジョー508はいちおうセダンにジャンル分けできるものの、後席のあたりからルーフが直線的に下降していることからもわかるとおり、多分にクーペを意識したプロポーションだ。ワゴンのようにテールゲートを開くこともできるので、最近人気のフォルクスワーゲン・アルテオンやアウディA5スポーツバックに近いコンセプトといえる。
このようなデザインをプジョーが選んだのには理由がある。

セダン不振の時代といわれて久しい。代わって台頭したのがSUVだが、その魅力は背が高いことによる室内スペースの広さとセダンにないパーソナル感の演出が中心だろう。
いっぽうで背が高いことを理由にSUVを敬遠する向きが少なくないことも間違いないはず。かといってセダンではオジサンじみているし、2ドア・クーペは格好いいけれど使い勝手がよくない。ワゴンが便利なのはわかるが、いかにも「人がいいお父さん」というイメージが強すぎる。「いざとなればオトナ4人がゆったり座れて、ほどよいプレステージ性もあって、それでいて”クールなクルマ”はどこかにないのか?」 そんな要望に応える形で登場したのがA5スポーツバックでありアルテオンだった。ちなみにアルテオンはフォルクスワーゲンが驚くほどのヒット作になっているそうだ。
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