様々な人生経験を積み、多くの服に袖を通してきた男が「嗜好」する服やモノとは、何だろうか。身に纏い同じ時を過ごすことで、そこに何を「思考」するのだろうか。王道の男が「シコウ」する本物に迫る。
エルメネジルド ゼニアで嗜好する本物とは—
独創される”ナチュラル”
世界屈指の名門ミルを経営する、「エルメネジルド ゼニア」。ランウェイを賑わすモードメゾンにして、クラシック好きの紳士からも愛される希有なブランドだが、その物作りの礎にあるのは、やはり天然素材だ。たとえばジャケットは、軽快な仕立てで生地のファインタッチが最大限に引き出される。自社の素材の魅力を最もよく知るのはブランド自身なのだ。
素材自体の開発にも余念がない。今季は、創業地トリヴェロの自然の色合いを天然染料のみを用いて表現した「オアジ カシミア」が登場。革を織って特許技術により布にした「ペッレ テスータ」コレクションも、充実を見せる。エルメネジルド ゼニアのワードローブ、それは素材からして独創的なクリエイションなのだ。
艶やかさとしなやかさが生む、至高のエレガンス
カシミア シルク ジャケット

ほんのり起毛したその生地は、カシミアへわずかにシルクを混紡したもの。カシミアの柔らかさと銀のようなシルクの光沢が相まって生まれる、優雅な表情に引き込まれる。そしてジャケットの軽やかな仕立てが、素材の魅力を一層際立たせるのだ。