不要な回り道をせずに”上質”に辿りつきたい人のために、服飾界の目利きたちが頻繁に使う専門用語を解説。これらを覚えれば、今まで以上に高いレベルでモノの吟味ができるようになるだろう。
【さ〜そ】
シェルコードバン 革

馬の臀部の革は硬くて繊維が密。表面(銀面)を削り、革の基底部だけで作るのがコードバンだ。頑強だが、繊維がむき出しのため非常に滑らかでしっとりし、光沢にも富む。ホーウィン社のものはシェルコードバンと呼ばれ特に珍重される。
スーパー150’s 生地
伊・トスカーナ地方発祥の伝統の生地で、”ナッピングウール”と呼ばれる表面の独特の毛玉が特徴。これは木の枝などに引っ掛けたときに傷が目立たないよう毛足をあらかじめカールさせたもの。元々は狩猟などアウトドアユースの生地だったが、その表情は貴族階級にも愛された。
スーパーレップ 生地
レップは斜めに畝が走るシルク製のタイ生地。スーパーレップはそれよりシルク糸を贅沢に使って密に織られ、より太く立体的なレップ(畝)が特徴。生地に立体的な表情が生まれノットが崩れにくく、ディンプルも綺麗に入る。
スキンステッチ 製法

革の内部に手で糸を通し、ステッチを隠すことでエレガントに見せる技法。ライトアングルステッチ、トライアングル・モカ、シャドウ・ステッチなどの手法がある。装飾として施されるもののほか、成形のためにこの製法をとるものも。
ストームシステム® 生地
名門ロロ・ピアーナが開発した全天候対応生地。撥水性のあるレインシステム®と、防水・防風性がありながら通気性に優れる微多孔性の特殊フィルムの二層バリア構造となっている。ウールはもちろん、カシミヤやビキューナなどの最高級の天然ファブリックにも加工できる。
セッテピエゲ 製法

イタリア語で”7つ折り”の意味。その名の通り、一枚生地を7つに折ってタイにしたもので、多くは芯地も用いず仕立てられる。手間もかかり通常のタイの約2倍の生地を使う贅沢な作りで、柔らかく優雅なVゾーンを演出できる。
※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2018年9月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)