クラフトマンシップの高さが際立つ、日本発のアウターに世界が注目
日本の物作りの技術の高さは世界に知られるところだがそれはアウターにおいても同じことが言える。地方名工場の躍進や独自の感性を発揮するデザイナーなど、世界に知られるJapanブランドの注目の理由を掘り下げる。
COHÉRENCE / コヒーレンス

コヒーレンスの「CORB Ⅱ」
伝説的な芸術家のポートレートにインスピレーションを得てアウターをデザインし、2015年よりコレクションを展開する。
こちらは1927年にマン・レイにより撮影され、気鋭の建築家としてのオーラに満ちている、ル・コルビジェのコート姿のポートレートをもとに作られた。
クリエイティブディレクター 中込憲太郎さん
「芸術家のオーラある佇まいを現代のアイテムで表現します」
ル・コルビジェ、藤田嗣治、ジャン・コクトーなど伝説的な芸術家の装いをもとにデザインしたアウターを展開する「コヒーレンス」。香港のアーモリーなど国外の有名ショップで人気を得て日本でも注目される。
「私は常に”ファッショナブル”であるより”シック”や”ノンシャラン(仏語で「無頓着なさま」)”という価値観に魅了されてきました。国籍、年齢、社会階層などあらゆる境界を超越する芸術家はその象徴で強いインスピレーションを得ています。
ただヴィンテージの単なる復刻を目指すわけではありません。生地は国内で開発したギャバジンを使用。オーバーコートの美であるゆったりとしたフィットを保ち、現代的に調整した裁断を取り入れるなど、過去のロマンティシズムと最新技術の出会いによるモダンなアイテムであることを重視しています」(中込さん)
別売りのフード(写真左:1万9000円)の装着で、より現代的でスポーティな雰囲気にも着こなせる。
また、各モデルのタグには、イラストレーターの早乙女道春氏による、デザインのもととなったそれぞれの芸術家のクロッキーイラストが描かれている(写真右)。
[MEN’S EX 2017年12月号の記事を再構成]
撮影/若林武志 スタイリング/武内雅英(CODE) 文/池田保行(04)