SIHH 2018 DAY 1

夢を見せてくれるコラボ時計
ロジェ・デュブイは今年、ブースのイメージを一新してSIHHに臨んだ。
ひときわ明るくなったそのブースで発表された新作は、タイヤ界の名門であるイタリアのピレリ社とのコラボレーションによる「エクスカリバー スパイダー ピレリ オートマティック スケルトン」というモデルだ。
このところ時計の世界では、異業種の用いるマテリアルを取り入れるのが通例となっているが、この時計の特色は、実際のF1グランプリで優勝したレーシングカーに使われたタイヤのラバー素材を、ストラップの素材に用いていることだろう。
モータースポーツの頂点にあるF1カーのタイヤを実際に腕にまとうことができるなんて、モータースポーツに興味を持つ人には、たまらない事かも知れないね。
蜘蛛の巣をイメージしてデザインされたムーブメントは、重なりあう直線が織りなす構造美を感じさせるもので、そこに嵌め込まれた元気の良い蜘蛛のような存在の、テンプが軽快に時のリズムを刻む。精悍なイメージの黒い時計に、アクセントとして用いられた、地中海の空を彷彿させる鮮やかなブルーが印象的だ。
これを身に着けて、モナコ・グランプリを観戦したら、さぞかし良い気分だろうなと、ちょっと楽しい夢を見てしまった。
ちなみに、赤いケースに収められた時計は、ランボルギーニ アヴェンタドールとのコラボモデル。今年のロジェ・デュブイはモータースポーツが花盛りだ。
Profile
松山 猛 Takeshi Matsuyama
1946年京都生まれ。作家、作詞家、編集者。MEN’S EX本誌創刊以前の1980年代からスイス機械式時計のもの作りに注目し、取材、評論を続ける。SIHHは初回から欠かさず取材を重ね、今年で28回目。
撮影/岸田克法 文/松山 猛