
星野リゾートといえば、その土地でしか出逢えない旅のスタイルを、趣向を凝らして提案することで定評を得ています。ライフスタイルに関する記事を執筆する仕事柄、私は今までその運営施設を何軒か取材してきましたが、心惹かれながらも訪ねられていなかった宿が一軒ありました。山梨県の河口湖畔に建つ「星のや富士」です。日本初のグランピングリゾートとして、2015年の開業以来、話題になっているのでご存じの方も多いでしょう。
ところで、グランピングはどちらかというと夏向きのイメージがあるかもしれませんが、同施設が冬に実施している”冬グランピング”は、体験した顧客の97.1%が満足感を得ているのだとか。それを知って実際に自分の目で確かめてみようじゃないかと、先日、満を持して出掛けてまいりました。今回はそのインプレッションをお届けします。
快適なドライブで非日常的な大自然へ
東京都内から「星のや富士」までは中央自動車道を経由してクルマで2時間弱。仕事で寝不足が続いていたこともあって、今回は東京駅から河口湖駅まで走っている高速バスを利用しました。
せっかくなら旅気分を満喫しようと、真っ昼間ではありましたが、車内にワインのミニボトルを持ち込んでグビグビやったところ、すぐさまイイ気分になってウトウト……。ふと目を覚ますと、ぼんやりした視界の向こうに雪化粧した富士の霊峰が姿を現しているじゃないですか。その神々しいことといったらありません。一瞬でテンションが上がり、日頃の疲れが一気に吹き飛んだような気がしました。
さて、河口湖駅でバスを降り、タクシーに乗り換えて10分ほど行くと、目的地である「星のや富士」のレセプションに到着。ここでチェックインの手続きをします。大抵のホテルではそのまま館内を歩いて客室へと案内されるものですが、「星のや」ではここからさらに専用車に乗ってキャビン(客室)棟があるエリアまで移動。このワンクッションが、これからの滞在に対する期待を煽ってくれる。まさに”星のやワールド”の始まりです。


