独自のスタイルを追求するワイナリーが増えてきた昨今。中でも目立つのがぶどうが本来持っている野生酵母を使った自然志向の造り手だ。日本ワインを長年取り扱ってきた老舗ショップでその傾向と売れ筋を聞いた。

今、最先端は”自然志向”な日本ワイン
かつての日本ワインは欧州品種を使い、欧州のワインのスタイルを手本としたものが多かったが、近年は土壌の特徴や日本の気候に合わせた造り方を取り入れている造り手が増えているという。中でも、特徴的なのが、野生酵母を使った(培養酵母を添加しない)ワインの醸造スタイルだ。
「今、北海道のトアールワイナリーのブルース・ガットラヴさんを中心に北海道、長野など全国的に野生酵母を使ったワインが増えていますね。元々、日本は湿度が高く発酵文化の土地ですから。本来、健全なぶどうが持つ野生酵母の働きを生かすために、有機栽培などが重視されています。」と話すのは、藤小西の西村誠人さん。そうしたオリジナリティの追求、そして、日本らしいワインが生まれるにつれて、今、日本ワインのファンが拡大しているという。
「日本ワインのいいところは、ラベルを見れば、産地のイメージやワインの印象を汲み取りやすいため、親しみやすいという点。そうした分かりやすさも、改めて今、日本ワインがお客様から支持されている理由だと思います」