“大事を始めるには、まず手近なことから始めよ”と教える中国の故事「隗より始めよ」。良い関係を築くには、まず一緒の食事から。達人たちのリアルな会食術を掘り下げる。

今月の”会”の達人

ストライプインターナショナル代表取締役社長石川 康晴さん
1970年生まれ、岡山県出身。京都大学大学院修了。’94年に創業。現在30以上のブランドを展開、グループ売上高は1,300億円を超える。石川文化振興財団の理事長や岡山芸術交流の総合プロデューサーも務める。
今を時めく起業家が信頼を置く店の実力とは?
気遣いできる人か、否か。「会食」とは、その事実が如実に浮き彫りになる場面でもある。
カジュアルレディスブランド「アース ミュージック& エコロジー」をはじめ、インターネット通販大手「アリババ」との協業など、常に革新的なビジネス戦略を打ち出して躍進を続ける「ストライプインターナショナル」の総帥、石川康晴氏は前者。会食をセッティングする際、相手の好みを事前に秘書などからヒアリングしておくのはもちろん、会食を新規事業を立ち上げるための有意義な交流の機れない場合に備えて「どんな嗜好の相手ももてなせる店」を用意しておくという。その一軒が、東京・赤坂にある「西洋御料理 東洋軒」。明治22年に開業した肉料理専門店に端を発する名店だ。
「例えば、会食相手が必ずしもお酒を飲めるとはかぎりませんよね? かといってこちらが遠慮すると、相手に気を遣わせることにもなりかねない。その点、東洋軒は素晴らしい。料理の幅が広く、おもてなしの精神も行き届いていて、例えばソフトドリンクもワイングラスに注いでサービスしてくださる。格を揃える、という配慮ですよね。また、個室を利用すると専用のエントランスに案内してもらえるので、特別な雰囲気も演出できる。大変重宝しています」
“会”を成功に導くにはどんな嗜好の相手ももてなせるよう気を配る