銀幕の男たちはいつだってお洒落のお手本だった。ファッションに精通した4人のシネフィルが、スタイリッシュな見どころいっぱいの映画をラインナップ!
軽妙なゆったりシルエットを学ぶなら…

イラストレーター・ソリマチアキラさん
ユーモアとセンスあふれるタッチで雑誌、広告、CDカバーなどのさまざまなジャンルで活躍している。
【BEST1】
アニー・ホール(1977年/米)

今に通じるエフォートレス&ジェンダーレスなスタイル
「小柄なウッディ・アレンが穿くバギータイプのチノパンツ、広めのラペルのジャケットなど、今のトレンドのヒントになる着こなしが楽しめます」。ダイアン・キートンのチープシックでメンズライクなスタイルも小粋。ラルフ・ローレンならではの都会的センスが満喫できる。

アカデミー賞4部門受賞のアレンの初期代表作。大人の恋をウィットに富んだ語り口で描く。1905円(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン)
【BEST2】
いぬ(1963年/仏)

トレンチの着こなし方にスターの個性が表れる
ダンディズムの象徴であるトレンチも、俳優によって着こなしは異なる。ハンフリー・ボガートの貫禄やドロンのスキのなさにくらべ、ジャン=ポール・ベルモンドのそれは大きめのフォルムが特徴。「丸みを帯びたラインとウエストベルトの絞り込みがベルモントらしいですね」。

暗黒映画の巨匠、ジャン=ピエール・メルヴィルの代表作。男たちの友情と裏切り、その末路が描かれる。Blu-ray(4Kリストア版)4800円(KADOKAWA)
【BEST3】
僕の伯父さんの休暇(1952年/仏)
ジャック・タチ扮するユロ氏がバカンスで海へ。テニスハットを被り、ジャケットに開襟シャツ、白フランネルパンツ、縞のソックスにデッキスニーカー姿で個性を発揮。
【BEST4】
野良犬(1949年/日)
拳銃を盗まれた刑事・三船敏郎が終戦直後の東京をさまよい歩く。着ているのはベージュのリネンスーツ。当時の働く男たちにとって夏の正装だったことがよくわかる。
【BEST5】
欲望(1967年/英×伊)
アントニオーニ監督初の英語作品。コーデュロイジャケットにギンガムチェックのシャツ、ホワイトジーンズといった’60年代のストリートファッションが魅力的。
[MEN’S EX2018年08月号の記事を再構成]
構成・文/伊澤一臣 文/長崎義昭・中河由起恵(以上Paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、間中美希子、礒村真介、酒向充英