ツーリングクラブ「チーム青柳」結成記念!?
青柳師範代と行く
三日目(11月22日)
復興を祈る気持ちを携え南阿蘇から大分のワインディングを一気に巡る
朝、寝ぼけ眼でテレビをつけたら愕然! この日、22日の明け方に福島で3.11の余震とみられるM7.4の大きな地震があったのです。テレビ各局の尋常じゃないトーンの緊急津波警報におののき、慌てて東京の自宅に電話したりネットを見たりと情報を収集してみましたが、どうやら大きな被害は出ておらず、現地の津波避難も進んでいる模様。ひとまずはホッとしました。それにしても、我々が熊本を訪れている間に福島で地震とは……。奇しくも今日のルートは、熊本地震が大きな爪痕を残した南阿蘇方面を最初に走る予定。昨日とは打って変わって爽やかな秋晴れながら、そんなこんなで若干ナーバスな気持ちを引きずりながらの出発となりました。
先導するのは、昨日に引き続きブルック店長の西村さん(わざわざ有給休暇を使って連休にしてくれたそう。大感謝)。本日もビシッとヴィンテージのルイスレザーに身を包み、愛車W400をドリュンドリュンと快調に走らせています。

空港前の美しい道を経由し、まずは広域農道のグリーンロード南阿蘇を目指しました。牧草地の中を快走できるこの道は、往年のGPライダー、ケニー・ロパーツが絶賛したことで”ケニーロード”とも呼ばれています。


ちなみに震災で阿蘇大橋が落ちてしまった現在、熊本市内から阿蘇のワインディングに向かうには、1日目に走った外輪山の北側を走るミルクロードと、外輪山の南側を走るこのグリーンロードの2本が主要アクセス道路となっているようです。
だいぶ復旧が進んだとのことですが、グリーンロード周辺は、いまだブルーシートをかけたままの民家や激しく地割れした田畑、そして復旧作業のため重機がそこかしこに。ここを呑気にツーリングするのはいかがなものかという気持ちにも一瞬なりましたが、いまだ閉鎖したままの温泉施設や、ホテルの閑散とした駐車場などを見ると、だからこそ我々のような観光客が一人でも多く訪れ、幾ばくかのお金を落とすことが大事なんだとも……。途中で立ち寄った道の駅でスマホをチェックすると、今朝方の福島地震の津波警報は解除されたとのこと。これで気持ちもずいぶんと軽くなりました。





グリーンロードのあとは、ススキが黄金色に輝く国道265号線をひた走り、一路、阿蘇神社へ。震災時、楼門や拝殿が倒壊した痛ましい姿をテレビの報道で見ていただけに、どのように再建が進んでいるのか気になりましたが、大きくブルーシートがかけられた下では急ピッチで工事が進んでいる様子。お賽銭をはずむとともに、仮の拝殿で手を合わせて一刻も早い熊本の復興を祈念いたしました。



阿蘇神社参拝後は阿蘇と大分の湯布院とを結ぶやまなみハイウェイ(県道11号)を北上。この道も阿蘇有数のワインディングとされるだけに、景色も道も気持ちいいのなんの! 大分側に入ると急勾配のタイトコーナーの連続でしたが、跨っているのがコーナーリング性能に定評あるヤマハの最新バイクというのも味方し、一度も怖い目にあうことなく走りを満喫できました。

このまま湯布院まで突っ走って行きたいところでしたが、昼食もまだですし、日のあるうちにYSP菊陽さんにバイクを返却することを考えたら、ここらで折り返したほうが賢明(オヤジのツーリングは無理をしないのです)。そこで長者原のあたりでやまなみハイウェイをUターン。その後は国道442号線から国道212線を経て、小国町の”そば街道”と呼ばれる林道に入り、老舗のそば屋で遅めの昼食に。今夜の打ち上げでがっつり食べたかったため(本日は馬尽くしの予定)、軽くざるそば程度のつもりが、結局はみんなと同じく大ボリュームのセットメニュー(せいろとかけの両方を楽しめ、大きな舞茸天ぷらやデザートもつく)をオーダー。たいへん美味しかったのですが、やはりチト食い過ぎました。


満腹で前傾姿勢を苦しく感じながら、食後は”まぜのミステリーロード”からミルクロードを激走。ミルクロードの途中では、有名な「ラピュタの道」に立ち寄りました。ここは天空の道と呼ばれるほどの絶景ワインディングが楽しめ、地元ライダーがこよなく愛する道でしたが、残念ながら震災で土砂崩れとなり、現在は通行止め。復旧の目処はまったく立っていないようで、無残にひび割れたアスファルトがそのままの状態でした。いつか再び、多くのライダーがここを訪れる日が来るといいのですが……。


そこからは名残を惜しむようにミルクロードの残りをゆっくりと流し、YSP菊陽に無事到着したのは4時ごろ。メーターをチェックすると3日間で約675kmを走った計算になりました。高速道路を使わず、下道のみでこの距離ですから、オヤジライダーにすればまずまず頑張ったんじゃないでしょうか。というか、吉田個人としては確実に人生で最高の”グランドツーリング”が楽しめました。これも、我々を先導し、素晴らしいルートを組み立ててくれた地元熊本の西村さん&吉見さん(肥後もっこすとはおそらく彼らのことを言う)、そしてもちろん長谷川さんと青柳師範代のおかげです。あと、よく走り、よく止まり、よく曲がってくれたヤマハのバイクにも感謝せねば。3台レンタルしたうち私はほとんど中型の「YZF-R3」に跨っていましたが、スーパー扱いやすく、本気で欲しくなりました。

YSP菊陽からタクシーで最寄駅に行き、電車、市電を乗り継いでホテルへ。

夕食はツーリングの反省会を兼ねて、予定通り、馬刺し、馬ユッケ、馬肉焼の馬尽くしを堪能。私は昼のそばがまだ胃の中で消化されていない感じでしたが、地元の吟醸焼酎のソーダ割り(これまた美味)をぐいぐいやるうちに調子が整い、気がつけば昨日、一昨日と同じくガンガン飲み食いしていました。

