
グルマンには説明不要かもしれないが、ここ数年、食の世界では中国料理が面白い。名前で客を呼べる若き料理人が増えている。その一人が川田智也氏。西麻布「長江」で10年修業した後、ミシュランの三ツ星を獲得する日本料理店「龍吟」で腕を磨いた彼は、今年2月、南麻布の閑静な住宅街にひっそりと「茶禅華」をオープン。予約が取れない状況が続いている。
提供される料理はコース1種類(12〜15品)のみ。「中国料理の大胆さと日本料理の精神性を掛け合わせ、日本人ならではの中国料理を提案したい」と氏は語るが、そ のまさに”和魂漢才”の考えは一皿ごとに凝縮されている。また、味わいも一口ごとに緻密に計算されている。「そう来たか」と脱帽させられっぱなしなのだ。
どうせなら飲み物はペアリングコースで楽しんでいただきたい。紹興酒や日本酒などを組み合わせたアルコールペアリング、中国茶や日本茶を織り交ぜたティーペアリング、またお酒の合間にお茶を挟むミックスペアリングもある。
温度や提供スタイルにもこだわったそれらは料理の味わいを豊かに広げてくれるはず。唯一無二の食体験、試す価値は十二分にある。
コース料理のメニューをご紹介(写真4点)
お問い合わせ先
茶禅華
東京都港区南麻布4-7-5
TEL:03-6874-0970
営業時間:火曜〜金曜/18時〜21時L.O.
土曜/12時〜13時L.O.、18時〜21時L.O. 日曜/12時〜14時L.O.
定休日:月曜
料金:土曜のランチはショートコース(1万2000円)のみ。その他のディナー、日曜のランチはおまかせコース(1万8000円)のみ。
※11月〜12月の上海蟹の時季は2万3000円。
[MEN’S EX2017年12月号の記事を再構成]
文/須永貴子、神山典子 構成・文/甘利美緒