
ラルディーニが昨年の4月末、東京・丸の内に日本初となる路面店「ラルディーニ東京店」をオープンしてから、早や1年を迎えた。その1周年イベントを機に、社長のアンドレア・ラルディーニと、その弟である副社長のルイジ・ラルディーニが来日。お店のおすすめ新作や、彼らの来日スタイルをチェックしてきた。
「自分らしさ」の軸を崩さない、ラルディーニ流スタイルとは?
「Buongiorno! Come stai???」
(ハロー! 元気だった—?)
と、いつものイタリア的な挨拶に始まって元気よくやってきた2人。
ラルディーニのアンドレア&ルイジ兄弟とは、私がMEN’S EXに移ってきた2008年以降、毎シーズンのピッティでブースを案内してもらったり、アンコーナからほど近いフィロットラーノの工場取材をしたり、また来日のたびにご飯にいったりインタビューしたり……と、知り合ってからかれこれ10年近くなる。彼らに会うたびにいつも思うのは、根本的な2人のスタイルというのが、いつも「とっても彼ららしい」ということだ。

2人のスタイルは、どちらもイタリア的でありながら、とても対象的だ。
社長のアンドレアは、いつも、紺のスーツを好んで着る。シャツは白、ネクタイも紺無地、靴も黒、というとてもストイックなスタイル。「ストライプのシャツなんかは着ないんですか?」と聞いてみると、「いやいや、いつも白だよ。ネクタイも紺がほとんど。スーツも基本は紺、グレーは滅多に着ない。たまにブラウンを着ることはあるけれど……。だって、紺と白の組み合わせはもっともエレガントでしょう」というのがアンドレア氏の持論。

一方、弟のルイジのスタイルはその真逆で、ネクタイをしていたとしても、リラックスしたカジュアルな恰好を好む。雨で少し寒かったこの日は、カシミヤのハイゲージのニットジャケットを着用。きちんとした場のスーツなら、ネクタイのノットもきっちり締めるが、基本こうしたドレスダウンのジャケットスタイルの時は、ネクタイもわざと緩めに崩すのがルイジ流だ。ここに自身が好きな「コロニアル」カラーを上手くミックスし、カーキのパンツに白スニーカーで上手く着崩していた。
ファッションのブランドは毎年新しい素材や色柄など、いろいろな提案をしていくが、そんな中でも「自身の軸」となるスタイルがまったくブレないというのは、とてもカッコいいと思う。