
技術力で勝負するアウディの「今」が詰まった4代目A8
アウディのフラッグシップセダン「A8」が8年ぶりに、4世代目へとモデルチェンジした。
A8は、1994年に初代モデルが登場。量産車初のオールアルミボディ「ASF(アウディスペースフレーム)」を採用し、その後もナイトビジョンシステムや、マトリクスLEDヘッドライトなど、「Vorsprung durch Technik(技術による先進)」をスローガンに掲げるアウディらしく先進装備の数々を搭載してきた。
そしてこの新型は、量産車として世界初の自動運転「レベル3」を実現したことで大きな話題を呼んだ。しかし、残念ながら国際的な技術認証や道路交通法の関係で、まだ日本市場ではその実力を試すことはできない。

とはいうものの、レベル3の自動運転を可能にした最新の安全技術はもちろん搭載している。その1つが、量産車初のレーザースキャナーの「LiDAR(ライダー)」だ。赤外線を照射して対象物までの距離や形状までを三次元で把握できるという。これに加えて5つのミリ波レーダー・5つのカメラセンサー・12基の超音波センサーの合計23個ものセンサーを搭載。これらから得た膨大な情報を統合的に分析して制御を行うセントラルドライバーアシスタンスコントローラーの採用によって、現在のレベル2であってもより人間の感覚に近い自然な挙動を実現する。所有するクルマにはアダプティブクルーズコントロールの機能がついているのだけれど、自分の感覚に合わないからと使用を控える人も多いと聞く。ぜひ試乗してこれを試してみてほしい。長距離移動での疲労の度合いが大幅に軽減されることは間違いない。
パワートレインは、340PSを発揮する 3リッターV6ターボ(Audi A8 55 TFSI quattro)と、460PS の4リッターV8ツインターボ(Audi A8 60 TFSI quattro)の2種類のガソリンエンジンにいずれも8速ティプトロニックとクワトロ(フルタイム4WD)を組み合わせる。またハイライトとしてアウディ初の48V電圧をいかしたマイルドハイブリッドシステムを搭載。減速時には22km/h以下でアイドルストップし、55〜160km/hの範囲でアクセルをオフにするとコースティングし燃料消費を抑制する。