今や世界的なトレンドとして人気の高いSUV。そんな王道のジャンルに、当連載で提唱し続ける外しの美学という切り口は当てはまるのか!? 実用性も兼ね備えた魅力的な3台をセレクトした。

旬のカテゴリーだからこそ外しが効く!
これまでスポーツセダン編、ステーションワゴン編と2回にわたり取り上げてきた外しの美学シリーズだが、最終回となる3回目は今もっとも旬なSUVを取り上げる。現在、SUV市場にはどの自動車メーカーも本格的に参入。プレミアムブランドはおろか「超」の付くスポーツカーメーカー、例えばランボルギーニまでウルスを発表するほどである。
その旬なSUVというカテゴリーの中で、本当にこの企画に該当するクルマはあるのか? という声も聞こえてきそうだが、意外とまだまだ知られていない日本市場にマッチするクルマというのは探してみると結構存在する。
SUVの魅力を今さら説明するのも野暮な話だが売れると分かった以上、自動車メーカーも最新のテクノロジーやデザイントレンドをこのカテゴリーに取り入れ、市場に導入している。つまりSUVは現在において時代を映す鏡と見る事もできる。
高い着座位置による広い視界やステーションワゴンよりラゲージの開口部や荷室高が高く、より大きな荷物を積載する事も可能。何よりも空間に余裕がある事がドライバーだけでなく乗員全体にも快適性を与える事はSUVの魅力だ。もう少し砕けた言い方をすれば彼女を助手席に乗せた際、その見える風景はこれまでのセダンやステーションワゴンとは大きく異なる。
これは実話だがこれまでのクーペに乗っていた男性がSUVに乗り換えた際、隣に座っていた彼女が喜びの声をあげたという。一体何かというと、これまで高速道路など走っていると助手席側から見える左側の風景はほとんどの場合、ガードレールや壁面であったという。しかしSUVに乗り換えた瞬間、アイポイントが高まった事で東関道浦安辺りのエリアにある有名な”おとぎの国”の全貌が風景として目に飛び込んできたという。夜という事もあり、彼女がいたくSUVを気に入ったという事だ。
一方で売れると分かった以上、現在は数多くのボディサイズが存在する。いたずらに大型のSUVを選ぶ事は都市部において取り回しがしにくいと感じる事もある。そこで今回は普段あまり注目される事が少ない(失礼)独自の個性を持ち日本の道路事情にもマッチする3台(内、王道1台含む)を紹介する。