
粋な英国クラシック風味の最新モデルに乗る
80年間変わらぬ姿
モーガンモーターカンパニーは、2気筒エンジンを搭載したフロント2輪、リア1輪の「3-WHEELER」によって1909年に創業した英国の自動車メーカーだ。100年を超える歴史においてパワートレインなどは変わってきたが、フレームの一部に木材を使い、創業の地であるイングランドのウスターシャーで職人の手によって1台ずつハンドメイドで作り続けられていることは変わらない。
現在のモーガンのラインナップは、ルーツでもある「3-WHEELER」をはじめ、1936年に登場したモーガン初の4輪車である「4/4」、4/4をベースにワイドなフェンダー&タイヤと2リッターエンジンを搭載した「プラス4」、そしてもっともパワフルな3.7リッターフォード製エンジンを搭載した「ロードスター」の4モデルがある。

試乗車は、誕生以来約80年間その姿を変えることなく作り続けられてきた「4/4」だ。クラシックなスタイルにソリッドな紺色のボディカラーがよく似合っている。フロントの長さから大きなクルマだと錯覚するが、全長4010mm、全幅1630mmと、全長はほとんどフィットやヴィッツと変わらない。全幅にいたっては約60mmも狭いのだ。
モーガン 4/4のディテールをチェック(写真5枚)
インテリアは、モトリタ製の華奢なウッドステアリングに、スミス製のメーター類、ブラックレザーの縦畝のシートなど、英国クラシックカーの定番アイテムがきっちり揃っている。サイドブレーキはフライオフ式という独特のレバー操作を必要するものだが、しばらく使っているとすぐに慣れた。坂道発進でも使いやすい。足元はお世辞にも広いとはいえない空間で、スチールの骨格にゴムのペダルを貼り合わせたシンプルなブレーキ&クラッチペダルが収まっている。アクセルペダルはローラー式という今どき珍しい形状のものだ。アクセルのオンオフ操作には何ら問題はないが、ヒール&トゥーはちょっと難しいかもしれない。