新型Gクラスは現状維持か? それとも進化か?

シンプルなデザインで人気のメルセデス・ベンツGクラスだが、その魅力は実に多面的だ。
1972年に始まった初代Gクラスの開発計画は、抜群の耐久性と信頼性、そして卓越したオフロード性能を備え、軍事用や官公庁用に使用されることを第1のコンセプトに掲げて始まった。その優れた性能が認められ、現在もNATO軍がGクラスを使い続けていることはあまりにも有名だ。しかし、メルセデスはGクラスをスパルタンなオフローダーとはせず、一般のユーザーにも受け入れてもらえる安全性や快適性を盛り込むことにした。これがGクラス第2のコンセプトである。
こうして、軍用にも使えるほどのオフロード性能、耐久性、信頼性を備えていながら、街中でも使用できる日常性を手に入れたGクラスは1979年のデビューから40年近くが経過したいまも人々から愛され、累計生産台数はついに30万台を突破したという。しかも、長年にわたって変わらず作り続けてきたボディはいまやクラシックな味わいをたたえるようになり、世界中のセレブリティやスポーツ選手がひとつのファッションとして受け入れている。これこそ、Gクラスの多面的な魅力の根源というべきものだ。
そんな唯一無二のSUVであるGクラスのフルモデルチェンジは、メルセデスにとって極めて困難なチャレンジでもあった。