クルマだけにとどまらず、最近のレクサス、とってもクールです
今年初めにマイアミで実施されたブランドイベント”Through the Lens”にて発表となった「LEXUS Sport Yacht Concept」。ここ日本で、実際に試乗&操船する機会に恵まれたのでレポートしたい。

会場となったのは「夢の島マリーナ」。関東圏屈指の規模を誇るこのマリーナは、なかなか他ではお目にかかれない、大型クルーザーや大型ヨットが数多く係留されているが、そんな中でも圧倒的な存在感を示していたのがこの「LEXUS Sport Yacht Concept」だった。
サイズは42フィート(12.7m)と世界的に見ればミドルクラス。日本では大型艇になるだろうか。レクサスのデザインフィロソフィーに基づいたというそのフォルムは、オープンクルーザーというスタイルで、クルマで言えば、ラグジュアリーオープンクーペといったところ。
まさに映画『007』にでも出てきそうなくらいスタイリッシュで、その注目度たるや、橋の上からのぞき込む子どもたち、すれ違う屋形舟や水上バスetc、その誰もが振り向くほど。個人的にはブカッティ・ベイロンで都内を走るよりも熱い視線を感じた(笑)。

同乗した「LEXUS Sport Yacht Concept」開発陣からは、「クルマはやはり実用性とか色んな事が絡んできますが、このボートは実用性とかはあまり考えず、スタイル重視ですから」という言葉がなかなか印象的だった。
あくまでも”コンセプトモデル”ということは重々承知の上で、誤解を恐れずに言えばクルマよりも圧倒的にスタイリッシュでセクシーな「レクサス」だと思ってしまった。

もちろんトヨタ自動車、そしてトヨタマリンの誇る最先端技術も、このボートには惜しみなく投入されている。
船体構造にはカーボン繊維を含めることで、高剛性・軽量化を実現。コクピットの操作画面は、統合インストルメントパネル(タッチパネル式24インチ液晶ディスプレイ)を採用し、ジョイスティック一本で簡単に離着岸を可能にするドライブアシストシステムや、海上で船体の位置や方向を保持するバーチャルアンカーシステムなど、最先端の電子デバイスも搭載する。
しかしデザインとともに、このボートのハイライトはやはりエンジンだろう。
レクサスFモデル(RC F・GS F)や、LCに採用されているV型8気筒5リッター自然吸気エンジンを2基搭載し、それを船舶用にチューニング。450馬力×2の900馬力を「LEXUS Sport Yacht Concept」誇る心臓部分は、最高速度43ノット(時速約80km)で疾走し、クルーザーとは思えないようなエキゾーストノートを海上に響き渡らせる。その爽快感、高揚感はまさに水上のスーパーカーそのものであった。

今後、この「LEXUS Sport Yacht Concept」は市販化される予定はなく、レクサスがライフスタイルブランドとしての活動を発表するイベントなどで、広告塔の役割を果たすとのこと。
ただ一方で実際に60フィート級の大型クルーザーの商品開発に着手することも発表されただけに、今後のレクサスクルーザーには大いに期待したい。

撮影/柳田由人 取材・文/iconic