スーツスタイルを仕事に、人生にどう活かすかは、一人一人の働き方や自己プロデュースのあり方によって大きく違う。スーツスタイルに”普遍”はあれど、スーツの選び方に絶対の正解はないのだ。着る人を魅力的な人物に見せる服=スーツを、アナタの”これから”にどう、上手に役立てるか?ここではその術を様々な目線から、明らかにしていこう。
本質を求める人と、新しい価値を追求する人。スーツの買い方が二極化していると感じます(山浦さん)
ライフスタイルによって変わるスーツの需要
金森 さて、クラシック回帰の一方で、スーツの二極化も進んでいると山浦さんは仰っていましたが……。
山浦 本格派とイージー派の二極化ですね。クラシック回帰の影響もあり、スーツをただ漫然と着るのではなく、しっかり選んで、きちんと装うことを楽しみたいというポジティブな購買が増えています。一方それとは対照的に、昨今の働き方や装い方の大きな変化に伴い、より機能的で、ストレスのないスーツを求める方も増えています。高機能を謳った生地も、今まで以上に多彩に登場してきていますし。
金森 それらはどういった層のビジネスマンに求められているのですか?
山浦 ITなどのクリエイティビティ、あるいは仕事のパフォーマンスを重視したいという方ですね。今はノータイでOKという職場も多くなってきました。スーツにTシャツで仕事をされている方も、もはや珍しくありません。
中村 ひと昔前は、スーツのインナーといえば最低限ポロシャツでしたが、そんなイメージも変わってきました。イージーなスーツにTシャツ、スニーカーも、ひとつのスタイルとして確立されてきたといっていいでしょう。
森岡 スーツのいいところって、かなりカジュアルダウンしてもきちんと見えるところにありますよね。仕事着のストレスを極力減らしたいという方にとって、イージースーツはとても理に適った選択ではないかと思います。