いよいよ電気自動車事業に本腰の「ダイソン」に加わった元BMWのキーパーソンとは?

NULL
Facebook
Twitter
友だち追加
サステナ


ダイソンの自動車事業に元BMW、インフィニティのローランド・クルーガー氏が参画

かねてより自社開発の画期的な電気モーター、バッテリー技術を活かした電気自動車事業への参入の意思を明らかにしているダイソン。そのプロジェクトに強力なメンバーが合流した。元BMW Japan社長であり、のちに日産自動車でインフィニティのトップを務めたローランド・クルーガー氏が、市場投入に向けた全行程の責任者に就任したのである。

2017年9月に、EV開発に取り組んできたことを明らかにしたダイソン。イギリスのテクノロジーキャンパスには400名のEV開発チームが勤務しており、昨年には更に2億ポンド(約292億円)を投じて、テストコースを含む新たな施設の拡張を行なうと発表したばかりだ。

サステナ

おそらくはその研究開発は大詰めを迎えつつあるのだろう。彼らは初のEVの製造拠点をシンガポールに建設すると、2018年10月に発表している。年末より建設が始まったところで、完成は2020年の予定。シンガポールが選ばれたのは高成長のアジア市場との距離感、サプライチェーンとのアクセスのしやすさ、豊富な人材市場、高度な製造力などが理由として挙げられている。ちなみにダイソン自体も、エグゼクティブチームの拠点がすでにシンガポールに移されており、本社機能はこちらで担われることになっているのが現状である。

ここに加わったローランド・クルーガー氏は、ドイツ出身で現在53歳。1998年よりBMWグループに勤務し、2009年からBMW Japan(ビー・エム・ダブリュー株式会社)の代表取締役社長を務めた。2013年にBMWグループの専務執行役員に就任するも、2014年からは日産自動車にてインフィニティ事業担当の専務執行役員へと転身する。それがこの1月に「新たなチャンスを求めて」退社したと伝えられていたのだが、その行き先がこのダイソンだったというわけだ。

サステナ

ちなみにクルーガー氏、BMW入社前には三菱自動車で内外装デザイナーとして、ダイムラーでシニアデザイナーを務めていたという経歴も持つ。技術そしてデザインを重視するダイソンは、ぴったり合っているのかもしれない。

いずれにしても言えるのはダイソンのEV事業は相当に本気だということ。そして、その全貌が明らかになるのは、きっとそう遠い先のことではないということである。

文/島下泰久 Yasuhisa Shimashita

サステナ主宰
モータージャーナリスト
2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

1972年神奈川県生まれ。燃料電池自動車や電気自動車などの先進環境技術、そして自動運転技術を中心に、走行性能、ブランド論までクルマを取り巻くあらゆる事象をカバー。自動車専門、ライフスタイル系などのwebメディアをはじめ、専門誌、一般誌、ファッション誌などの雑誌に精力的に寄稿している。また並行して講演活動、テレビ、ラジオなどへの出演も行なう。
海外モーターショー取材、海外メーカー国際試乗会へも頻繁に参加しており、年間渡航回数は20回を超える。 2011年6月発行の2011年版より、徳大寺有恒氏との共著として「間違いだらけのクルマ選び」の執筆に加わる。2016年版より単独での執筆になり今に至る。
最新刊は「2019年版 間違いだらけのクルマ選び」。
2016年にサステナをオープン。主筆として一般自動車専門誌、webサイトとは違った角度から、未来のクルマと社会を考察中。

サステナ(SUSTAINA)とは?

まっすぐおもう、未来のコト。 モータージャーナリスト島下泰久氏が主宰を務める、「クルマが目指す未来」を主軸に先進環境技術やそれを取り巻く社会の変化など、あらゆる事象を追うウェブメディア。

sustaina

2024

VOL.341

Spring

  1. 1
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop