「リーダーたちの本とメガネ」三井住友トラストクラブ 野原幸二氏

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リーダーたちの本とメガネ

リーダーとしてビジネスを牽引する男たちが愛読する本&愛用するメガネ。そこには日々、厳しい競争の中で奮闘する彼らの思考法やビジネス哲学が宿っている。

野原幸二氏

Profile

三井住友トラストクラブ
野原 幸二氏

1955年生まれ。山口県出身。京都大学法学部卒業後、'78年住友信託銀行(現三井住友信託銀行)に入社。東京営業部長、名古屋支店長等を経て、2010年常務執行役員、'12年三井住友信託銀行常務執行役員、'14年専務執行役員。'15年4月三井住友トラスト・カード社長。同年12月より代表取締役社長。


常識的な銀行員像からメガネで脱却を図る

この数年、食にまつわるイベントが盛り上がりを見せている。その中で、名だたるフランス料理のシェフたちの味を気軽に味わえることで好評を博しているのが「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」。今年は9月22日〜10月8日の期間で"和の食材"を使ったフランス料理が、全国各地のレストランでスペシャルコースとして提供される。

今回、ご登場いただく野原幸二氏は、そのレストランイベントを特別協賛するダイナースクラブの発行元「三井住友トラストクラブ」の代表取締役社長。茶色いフレームのメガネがお似合いの、柔和な雰囲気を湛えた"リーダー"である。

野原氏は63歳。現在のポジションに就いたのは2015年。その前は銀行員であった。大学を卒業してから40年近く勤め上げてきたことを思えば、それは氏にとって大きな転機だったに違いない。

そのことを象徴するかのように、野原氏は転職を機に、ある行動に出た。メガネの新調である。

メガネを誂えるのは時に"冒険"にたとえられる。顔の中心に鎮座するものが変われば、その人のイメージも大きく変わる。聞けば、野原氏は長年にわたって銀縁メガネ一辺倒だったというから、おそらく"大冒険"だったに違いない。

「私が新卒で入社したのは1978年。当時、銀行は重厚長大産業と共に日本の再建を牽引する使命を担っていました。銀行員はステレオタイプの価値観を持ち、髪は七三、背広は紺、を信じて疑わなかった。メガネについても同じ感覚。装いで個性を表現するなど、考えもしなかったので、掛け始めは正直照れ臭かったですね(笑)」

なぜ、野原氏はイメージチェンジに踏み切ったのか。その答えは、どうやら銀行業界とクレジットカード業界の違い、とりわけ「ダイナースクラブカード」のビジネスモデルの特徴にあるようだ。

「同じ金融業と言っても、実際、それぞれの世界はずいぶん異なるものです。特に私どもが扱う『ダイナースクラブ』というクレジットカードは、その名が示す通り、食事を楽しむ人のためのカードとして生まれ、現在も食に関連するイベントが数多く企画されています。『フランス レストランウィーク』はその最たるもの。このプログラムを通じてフランス大使と交流するという、銀行員時代には考えられなかった新しい経験もするようになりました。それを受けて、いい機会だからまずはメガネを変えて、常識的な銀行員像から脱却してみようと思ったのです」

また、三井住友トラストクラブに外資系企業の個の表現を重視する文化が根付いていたことも、メガネの新調に作用したそうだが、ここに野原氏の"リーダー"としてのポリシーがはっきり表れている。

「私は新会社を銀行の文化で染める気は毛頭なかった。三井住友信託銀行の文化とそれまで培ってきた文化の長所を融合させればそれでいい。大切なのは、お客様にとってベターな答えが導き出せるかどうかであって、親会社がどこからどこに変わったとか、そんなことはどうでもいい。その意味でも、今はこのメガネ。私にとって記念の1本なんです」

<strong>『サッチャー回顧録 ダウニング街の日々』上・下 / マーガレット・サッチャー</strong><br />
野原氏が30代の頃に読みふけった人文・社会科学系の一冊。共産主義の破綻、ソ連・東欧圏の崩壊、世界的な市場経済への転換―歴史の大変化の中で、英国の首相として新自由主義を貫き、国内外の問題に勇猛果敢に取り組んだ「鉄の女」による自伝。

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<strong>『東京の空間人類学』 / 陣内秀信</strong><br />
東京という都市空間を深層から探り、現在の東京の街並みが江戸時代の都市形成と有機的に繋がっていることを明快に解読。野原氏は関西から上京した後にこの著書と出会い、週末ともなると、古地図を携えて夢中で街歩きをしたという。

『東京の空間人類学』 / 陣内秀信
東京という都市空間を深層から探り、現在の東京の街並みが江戸時代の都市形成と有機的に繋がっていることを明快に解読。野原氏は関西から上京した後にこの著書と出会い、週末ともなると、古地図を携えて夢中で街歩きをしたという。

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