「いつまでも見飽きない時計。」A.ランゲ＆ゾーネは今年もまた見る者の目を釘付けにした

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SIHH取材 DAY 5

ますます高まる完成度に感服！

A.ランゲ＆ゾーネは今年また、いくつもの意欲作を発表した。

まずはラップタイムと基準タイムの2つを、 12時間連続して計測できる、驚異的な性能を持つ「トリプルスプリット」というクロノグラフである。

2004年発表のダブルスプリットには、クロノグラフ秒針と30分積算計にだけ備えられていたラトラパンテ針を、このモデルでは、時積算計にも加えることができたため、たとえば1位の選手と2位の選手の、競技の経過時間を、12時間にわたり計測できるようにしたというもので、それにより積算時間が増えたため、F−1レースなどの自動車競技や、自転車競技などにも使えるという事。

A.ランゲ＆ゾーネのブースの入口に、この時計の大きな模型がディスプレイされていて、その複雑なムーブメントの構造に、見とれている人が多かった。

このほか122.6年間で、ようやく1日分の誤差が生じるという、高精度のムーンフェイズ機構を持つ「サクソニア・ムーンフェイズ」に、漆黒の文字盤のバリエーションが加わった。ランゲ時計らしく端正で、シンメトリカルなデザインのこの時計は、とても知的な雰囲気にあふれている。

また昨年のSIHH開催中に他界してしまった、ウォルター・ランゲ氏に捧げられたモデル「1815″ウォルター・ランゲへのオマージュ”」というスタート・ストップ機能付きのジャンピングセコンド・ウォッチにも注目したい。

機械式時計の秒針は、流れるように動くスイープセコンドを基本的には採用している。だが、ウォルターの祖父にあたる、フェルデイナント・アドルフ・ランゲが、一秒の経過をくっきり示す時計を作りたいと、150年前に考案したのが、独特のジャンピング・セコンド機構だった。

この時計には二つの秒針があり、そのうちの一つが6時位置のスモールセコンドで、これは時計が動いている限り、常に秒を刻んでいる。そしてセンターに配置されたもう一つの秒針は、任意で動かし、また停止させることができる、ジャンピング・セコンド針である。ケースの11時位置のボタンの操作で、それを起動、停止し秒単位の時間経過を知ることもできる。